1995 Fiscal Year Annual Research Report
NOおよびスーパーオキシド両ラジカルの神経伝達機序における関与について
Project/Area Number |
07458200
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高木 宏 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30163174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 託成 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70271179)
前田 光代 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40122080)
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Keywords | NO / スーパーオキシド / ラジカル / 神経伝達機序 / 海馬 / 線条体 / 虚血 |
Research Abstract |
海馬におけるNOSニューロンとSODとの関連性を知る目的で、正常ラットを用い両酵素の細胞内共存について、多重標識法および連続切片法を用い免疫組織化学的に検討したところ、NOSニューロンおよびMn-SOD強陽性ニューロンは、アンモン角(CA1〜4)や歯状回にそれぞれ幅広く分布していたが、NOSニューロンのなかでMn-SOD強陽性を示すものはほとんど見い出せなかった。したがって、海馬NO産生ニューロン内では少なくとも生理的状態において、Mn-SODによるO_2-消去系は十分に作動していないと考えられた。これは線条体において認められた所見とは大変異るものであった。即ち、NO産生細胞が虚血に抵抗性を示す機序として、NOとO_2が反応して誘導されるペルオキシナイトライト生成経路がSODにより阻止されるとする説が有力であったが、線条体においてはそれにより説明がつくものの、海馬に於ては疑わしいことが本研究により明らかとなった。海馬と線条体で異なる結果が得られたことから、脳の各領域による特殊性を考慮に入れ検討する必要のあることが示唆された。 また、鉄栓子脳梗塞モデルの作製に当たって、その条件設定を検討したが、モデル作製後2〜3日の時点で出血性変化が梗塞巣の周辺に認められたことから、ヒトの脳梗塞の初期段階で高頻度に出現するとされる出血性梗塞と類似性が高いことが注目された。したがって、同梗塞モデルは従来の方法に比較し、ヒトの脳梗塞をより正確にシミュレートすると考えられた。同モデル作製の検討結果は、虚血による神経細胞死および組織修復過程にフリーラジカルがどの様に関与しているかを今後探る上で、重要な成果と言える。さらに、貧血性梗塞を主体とした従来の脳虚血モデルと同モデルとを対比することにより、病態解析を多角的に進めることが可能となった。
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[Publications] T.Nagano et al.: "Regend distribution of messenger RNA encoding the insulin-like・・・・" Mcl.Brain Res. 32. 14-24 (1995)
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[Publications] F.Akai et al.: "A new animal model of cuebral infaretion:magnetic embolbalization…" Neurosci.Lett.194. 139-141 (1995)
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[Publications] K.Fujuwara et al.: "Calcifomin gene-related peptide-and substance P-immuporeactive・・・・" Acta Newropathol. 90. 347-355 (1995)
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[Publications] J.Ono et al.: "Differentiation between dysmyelination and demyelination・・・・" Brain Res.671. 141-148 (1995)
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[Publications] T.Ohmachi et al.: "Morphological analysis of galanmigie inputs・・・・" Exp.Brain Res. in press. (1996)