Research Abstract |
生後8日目のSDラット小脳より単離した細胞群を,25mMKCl;5%ウシ胎児血清;5%ウマ血清を含むBME中で14日培養した.培養1,5,8,13日目に,細胞からtotal RNAを抽出し,その中に含まれるnNOSのmRNAを,昨年度開発した定量的RT-PCR法を用いて増幅定量した.anti-sense primer(5'-TCTGCAGCGGTATTCATTCTC-3')の5'-末端を^<32>Pでラベルし,sense primer(5'-TTCAACTACATCTGTAACCA-3')を用い,増幅DNA産物をagarose gelで電気泳動分離後,BAS2000を用いて放射定量をおこなった.内部標準としてマウスtotal RNAを用いて,ラットnNOS-mRNAをマウスtotal RNA相当量(1ng=1unit)で表わすと,8日目の小脳全体(0.021units/ng total RNA)と比較して,初代培養顆粒細胞では1日目0.004,5日目0.01,8日目0.013と増加したが,13日目では0.05に減少した.dish当たりでは,1日目0.12,5日目0.28,8日目0.32,13日目0.19unitsと,細胞のtotal RNA当たりの値とほぼ並行して増減した.2週間培養してもdish当たりの蛋白量は増加し,形態的にも変性を思わせる変化は見られないが,nNOSのmRNAレベルは減少し始め,細胞の"老化"を示している.昨年度開発したmicro-Western blotを用いて,培養細胞のnNOS蛋白質を定量すると,そのmRNAと同様な増減の変化を示していた.これ等の実験と並行して,昨年度からの課題のmicro-RT-PCRを工夫した.生後12日目の小脳の各層試料0.98-2.82μg乾燥重量と0.25-1.0ngの内部標準のマウスtotal RNAを100μlの抽出緩衝液に加え,通常の1/4にscale-downしたoligo-dT cellulose columnを用い居てmRNAを分離して,最終的に100μlの反応液中でPCR反応を行った.未だ定量性に問題はあるが,外顆粒層にnNOSが存在することを,このmicro-RT-PCRにより初めて証明出来た.
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