1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458217
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN) |
Principal Investigator |
青崎 敏彦 理化学研究所, 運動回路網研究チーム, フロンティア研究員 (70221033)
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Keywords | 大脳基底核 / 線条体 / ドーパミン / アセチルコリン / 黒質 / パーキンソン病 / パッチクランプ法 / スライス |
Research Abstract |
本研究の目的はラット線条体の薄切スライス標本を用いたスライスパッチクランプ法により、線条体内のコリン作動性ニューロンおよび中型有棘細胞をめぐる局所神経回路の生理学的性質を調べることである。最終年度の1998年度は、昨年に引き続いて、とくに線条体コリン作動性ニューロンに対して黒質からのドーパミン性入力がどのような働きを及ぼすかについて調べた。結果は、(1)ドーパミンは殆ど全例で直接コリン作動性ニューロンに働いて脱分極する。その脱分極はD1/D5型のアンタゴニストで阻害された。(2)ドーパミンおよびD1/D5型のアゴニストはKコンダクタンスの抑制と陽イオンコンダクタンスの増加を引き起こして内向き電流を生じた。(3)その作用はforskolinで模倣でき、かつadenylate cyclaseの阻害剤であるSQ22536によって阻害を受けた。(4)D2受容体の作用については複雑で、一般にその活性化によって、膜の脱分極を生じることが多いが、その後、大きな過分極を生じることがある。この機序については十分な解析はまだできていない。線条体内のコリン作動性ニューロンはD5型とD2型の2種類の受容体を持つので、以上のことから、ドーパミン入力は線条体内のコリン作動性ニューロンに働いて、D5型受容体に働いて、膜の脱分極を起こし、視床や皮質殻の入力による発火に対して促進的に働き、ひいてはアセチルコリンの放出を引き起こすと考えられる。この研究は、パーキンソン病の病態、およびドーパミン作動薬の作用様式に、これまで、知られていなかった経路をつけ加えるものである。
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