1997 Fiscal Year Annual Research Report
嗅覚受容器細胞におけるG蛋白質介在性情報変換の分子機構
Project/Area Number |
07458224
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉橋 隆 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90225251)
|
Keywords | cAMP / 嗅細胞 / パッチクランプ / 匂い受容 / 応答抑制 / アデニレートシクラーゼ / フォスフォディエステラーゼ / イオンチャネル |
Research Abstract |
本年度は、申請した課題に関連して以下の3点の問題に関する研究成果を得て国際的科学誌に内容を公表、あるいは学会にて成果を公表した。(1)イモリ単離嗅細胞に膜電位固定法を適用し、詳細な解析的研究を行った結果、T-type CaチャネルがNaチャネルと協同する形で活動電位の発生に関与していることが明らかとなった。(2)コンピュータシミュレーションによって、膜電位依存性電流が活動電位に寄与する成分分析を行い、NaチャネルとCaチャネルの貢献度を定量化した。その結果、平均でNa電流1に対してCa電流0.6の割合で活動電位を発生させることが明らかとなった。(3)化学受容研究の類似モデルとして、味細胞の電気応答を記録し。カエル舌から単離した味細胞に苦み物質の代表であるキニ-ネを与えたところ、陽イオン選択性イオンチャネルが開口することを見いだした。この電流応答に対して、二次伝達物質候補の一つであるcAMPをケージド化合物の細胞内光分解反応を用いて定量化した。その結果、cAMPはキニ-ネ応答に関して、抑制あるいは興奮過程を示すものがあり、cAMPが苦味応答に関して細胞内から修飾を行っている可能性が示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Wakazono,Kurahashiら: "Immunocytochemical and Electrophysiological Characterization of Cellebilar Granule Cells in Microexplant Cultures." Neuroscience Research. in press.
-
[Publications] Kawai,Kurahashi & Kaneko: "Quantitative Analysis of Spike Generation in the Newt Cltactory Receptor Cell" Japanese Journal of Physiology. 47. 367-376 (1997)
-
[Publications] Kurahashi & Memi: "Mechanizm of Odorent Adaptation in the Olfactory Receptor Cell" Nature. 385. 725-729 (1997)
-
[Publications] Kawai,Kurahashi & Kaneko: "Nor selective Suppression of Voltage-gated Cuvrents by Oderants in the Newt Olfactory Receptor cell" Journal of General Physiology. 109. 265-272 (1997)
-
[Publications] 倉橋 隆(共著): "「脳と神経」章:視覚と嗅覚の情報変換機構" 共立出版,
-
[Publications] 倉橋 隆(共著): "シリーズ・ニューバイオフィジックス.6「生物のスーパーセンサー」「匂いのセンサー」" 共立出版, 44-53 (1997)