1996 Fiscal Year Annual Research Report
迅速核酸分析法を用いた実験動物腸内に生息する腸内細菌の分類とモニタリング法の確立
Project/Area Number |
07458227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 喜久治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50100045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 豊志雄 (財)実験動物中央研究所, 室長 (20106644)
笹川 千尋 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70114494)
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Keywords | 腸内細菌 / RCR / 実験動物 / プライマー |
Research Abstract |
本年度は、前年度作製したBacteroides(Bac)とB.vulgatus(Vu1)に対するプライマーと本年度デザインしたPorphyromonas(Por),Prenotella(Pre)のGenusに特異的なプライマーを、用いてPCR法により基準株とヒトおよび動物腸内からの分離株、さらにBacteroides subgroup以外の代表的な腸内フローラ菌種での特異性を検討し以下のような結果を得た。 標準株による確認:Becteroides cluster;Bacプローブを用いて確認を行ったところ、B.vulgatus以外のBacteroides clusterに属する株は全てpositiveとなった。また、Vulプローブを用いてB.vulgatusの確認を行ったところ識別可能であった。そこで、両者を混合プローブとして用いることを検討したが、Tm温度の違いによりバックグラウンドが大きくなることから、正確な識別が困難となり、両者別々に用いることとした。 Prevotella custer;Bacteroides cluster,Prevotella clusterの両方の株がハイブリダイズした。ただし、この両者以外はpositiveとなる株はなかったので、BacとPreの両方のプローブを組合わせて用いることで識別可能であった。 Porphyromonas cluster;Porphyromonas clusterとその他のBacteroides subgroup(New1,New2)がハイブリダイズした。しかし、この2種以外はpositiveとならなかったので、Porプローブでハイブリダイズする株はBacteroides cluster、Prevotella cluster以外のBacteroides subgroupと考えられる。 分離株による確認:生物、生化学性状テストにより、Bacteroides cluster、Prevotella cluster、Porphyromonas clusterそれぞれに含まれると同定された分離株を用いて、Bac,Vul,Pre,Por各プローブによる確認を行った。どの菌株も同定したcluster内のプローブとハイブリダイズした。従って、これら分離株でも今回使用したプローブが使用可能であることが明かとなった。 他の代表的な腸内フローラ菌種との確認:すでに同定されているBacteroides subgroup以外の代表的な腸内フローラ菌種(Lactobacillus、Bifidobacterium、大腸菌など)でも同様の検索を行った。Bac,Vul,Pre,Por各プローブともにどの菌株ともハイブリダイズしなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Misawa,N.Itoh,K.他: "Detection of Serum-Dependent Cytotoxic Activity of Campylobacter jejuni and its characteristics." J.Vet.Med.Sci.58. 91-96 (1996)
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[Publications] Misawa,N.Itoh,K.他: "Experimental Hepatitis Induced by Campylobacter jejuni Infection in Japanese Quail(Coturnix coturnix japonica)" J.Vet.Med.Sci.58. 205-210 (1996)
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[Publications] Kanazawa,K.,Itoh,K.他: "Factors influencing the development of sigmoid colon cancer." Cancer. 77. 1701-1706 (1996)
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[Publications] 伊藤喜久治 他: "キャンピロバクター食中毒" モダンメディア. 42. 223-234 (1996)
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[Publications] Suzuki,T.,Itoh,K.他: "Inhibition of Bacterial Translocation from the Gastrointestinal Tract of Mice Injected with Cyclophasphamide" Current Microbiology. 33. 78-83 (1996)
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[Publications] Hirayama,K.,Itoh,K.他: "Composition of faecal microbiota and metabolism of faecal bacteria of Pig-Flora-Associated(PFA)mice." Microbial Ecology in Health and Disease. 9. 199-206 (1996)