1995 Fiscal Year Annual Research Report
生体関節における多モード適応潤滑機構と変性・修復機構の解明
Project/Area Number |
07458237
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 輝夫 九州大学, 工学部, 教授 (90091347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬渡 正明 九州大学, 医学部, 助手 (80202357)
三浦 裕正 九州大学, 医学部, 講師 (10239189)
日垣 秀彦 九州大学, 工学部, 助手 (00238263)
大月 伸男 九州大学, 工学部, 助教授 (60127991)
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Keywords | 生体関節 / 多モード適応潤滑 / 関節液成分 / 境界潤滑 / 軟骨細胞 / 力覚応答 / Langmuir-Blodgett法 / サイトカイン |
Research Abstract |
当初計画とは若干の変更があったが,以下の知見が得られた.歩行運動を模擬出来るシミュレータでは,まず人工軟骨モデルの摩擦試験を行い,流体膜の数値解析との総合比較によりマクロなレベルの多モード適応潤滑の基本的な機構を解明できた.関節液と軟骨の衝撃試験においては反発挙動と潤滑膜形成や,衝撃荷重時の関節軟骨の電圧発生現象を追跡し,構成成分と潤滑性との関連を界面電気現象の観点から評価できた.動物関節の振子試験により,摩擦挙動を観測し,潤滑剤や軟骨表層成分の潤滑効果を評価できた.また,γグロブリンやリン脂質のLB(ラングミュア・ブロジェット)膜との摩擦試験を行い、AFM(原子間力顕微鏡)で吸着構造を同定し,リン脂質や蛋白成分の潤滑効果を確認することができた.これらの知見を規範にして,マイクロマニピュレータを使用して,動物関節軟骨試験片の局所的な摩擦試験を試みつつある.また,変形性関節症やリウマチ性関節症の関節液の粘性や組成を調べ,臨床現象との関連を検討中である.軟骨細胞の力学試験に関しては,高密度単層培養した軟骨細胞群に対して,せん断荷重を繰返し加えることにより,サイトカインのインターロイキン6が特異的に産生することが確認されたので,関節の変性・修復機構との関連について検討しつつある.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 日垣秀彦: "関節潤滑における関節液と軟骨表層の構成成分の役割 (第2報)蛋白成分の境界潤滑性" トライボロジスト. 40-7. 598-604 (1995)
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[Publications] 日垣秀彦: "生体関節における蛋白成分とリン脂質の境界潤滑作用" 日本機械学会論文集. 61-588. 3396-3401 (1995)
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[Publications] 日垣秀彦: "関節潤滑における蛋白成分の役割(第1報) -境界潤滑性の実験的評価-" 日本臨床バイオメカニクス学会論文集. 16. 403-407 (1995)
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[Publications] 中西義孝: "関節潤滑における蛋白成分の役割(第1報) -電場における摩擦制御-" 日本臨床バイオメカニクス学会論文集. 16. 369-374 (1995)
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[Publications] T. Murakami: "The adaptive multimode lublication in biotribological systems" Proc. Int. Tribology Conf. Yokohama. (in press). (1996)
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[Publications] H. Higaki: "The boundary lubricating ability of proteins in natural synovial joints" Proc. Int. Tribology Conf. Yokohama. (in press). (1996)