1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07458260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
嘉悦 勲 近畿大学, 理工学部, 教授 (00214247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東本 暁美 近畿大学, 理工学部, 教授 (90181073)
土居 功年 近畿大学, 理工学部, 教授 (90207671)
内田 熊男 近畿大学, 理工学部, 助教授 (40088464)
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Keywords | ポリアクリル酸 / 固定化酵素 / 光重合 / ポリエチレンテレフタレートフィルム / 信号応答放出制御 / 信号応答性センサーゲート |
Research Abstract |
ポリエチレンテレフタレートフイルム(PET)にエキシマレーザーを照射してφ20〜200μmの孔をあけ、多孔膜(約13,200個)とした。これにアクリル酸またはアクリル酸と酵素(アセチルコリンエステラーゼなど)などの混合溶液を塗布して、紫外線を照射して光重合させ、PET膜の微孔内に信号応答性センサー・ゲート層を形成させた。この試料膜を用い、経時的にpH変化させたり、基質の添加によるモデル薬物(メチレンブルー)の透過を分光光度法により調べ、センサー・ゲート層の機能を評価した。 pH応答性放出制御システム・・・ポリアクリル酸センサー・ゲート層を有するPET膜のpH変化に応答したモデル薬物の透過放出実験の結果、薬物透過性はpHが酸性の時促進され、アルカリ性の時抑制された。また、pH応答透過性は、PET膜の孔径と孔数の増加によって応答感度と放出量は増加した。PET膜のpH応答性の機構は、ポリアクリル酸センサー・ゲート層が、pH変化に感応して酸性では収縮し、アルカリ性ではポリマーのカルボキシアニオン鎖の静電反発によって膨潤するためと推定される。 基質応答性放出制御システム・・・アセチルコリンエステラーゼを固定化したポリアクリル酸センサー・ゲート層を有するPETフイルムに、アセチルコリン(基質)を添加することによって誘起されたモデル薬物の基質応答性透過放出が認められ、その透過放出性は、アセチルコリンエステラーゼの固定化量、アセチルコリンの添加量の増加とともに促進された。PET膜の基質応答性の機構は、基質がポリアクリル酸センサー・ゲート層に拡散され、固定化されている酵素によって分解して酸性生成物を生じるため、pH応答性と同様の原理によって、基質に応答してゲート層の収縮とゲートの開通が起こると推定される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Isao Kaetsu: "Biocompatible and biofunctional membranes by means of radiation techniques" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. 105. 294-301 (1996)
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[Publications] Isao Kaetsu et al.: "Electro-,pH and substrate responsive controlled release systems using porous PET film" Proceedings of 23rd International Symposium on Controlled Release of Bioactive Materials. 471-472 (1996)