1995 Fiscal Year Annual Research Report
旧石器時代動物化石共伴遺跡の探索とタフォノミー研究
Project/Area Number |
07459015
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
稲田 孝司 岡山大学, 文学部, 教授 (40135926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 善也 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00135394)
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Keywords | 哺乳動物化石 / 旧石器時代 / 更新世 / タフォノミー |
Research Abstract |
(1)石灰岩地帯の洞穴等における発掘調査・分布調査 岡山県新見市足見NT洞穴の発掘調査では更新世中期に属する多数の哺乳動物化石が出土したので、堆積土をすべて持ち帰り、研究室において系統的な洗い出し作業を行った。この洞穴の動物群についてはシカ類・小型哺乳動物のほかにイノシシの多いことが特異であったが、分析の結果、大型のライデッカーイノシシの可能性が強くなり、他の動物化石との年代的な整合性が得られた。コウモリ穴・地蔵ケ淵洞穴など阿哲台石灰岩台地の分布調査を系統的に行ったほか、愛知県豊橋市牛川およびスセ、静岡県三ヶ日町只見・引佐町谷下・浜北市根堅等の踏査を行った。 (2)水成堆積層化石産出地における発掘調査・分布調査 長崎県壱岐郡芦辺町の幡鉾川河床においてゾウ化石を調査した。ナウマンゾウとみられる臼歯・四肢骨片が固い砂礫層に埋没しており、火山灰ラミナおよび木片を伴っていた。ゾウ骨片が数百メートル範囲に分散した状況を示し、タフォノミー研究に貴重な事例を加えることができた。このほか広島県世羅町津口および静岡県浜松市佐浜・同県細江町祝田等のナウマンゾウ産出地を踏査するとともに、瀬戸内海海底産哺乳動物化石の年代測定資料を収集した。
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