1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07459017
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
中島 祥好 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (90127267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 陽一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40221311)
津村 尚志 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (20038962)
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Keywords | 時間知覚 / 時間縮小錯覚 / 連続聴効果 / 文法 / 事象関連電位 / 知覚実験 / 単一神経細胞の活動 |
Research Abstract |
時間縮小錯覚に対応する大脳皮質誘発電位のパターンを観測するために,実験システムの整備を行った。また,日本語音声,楽器音を用いて,時間縮小錯覚に関する知覚実験を行った。錯覚の生じかたは,クリック音などを用いた条件と異なる場合があった。 グライド音やノイズを組み合わせた刺激パターンの時間構造がどのように知覚されるかについて,多数の刺激パターンを作成し現象観察実験を行った。その結果,音の「始まり」,「終わり」,「継続部」および「空白」が,それぞれ半ば独立の要素としてふるまう,との仮説を構築し,これらの要素がどのように配列されうるかを記述するような「文法」を考察した。中断を伴う純音,調波複合音,狭帯域ノイズなどの中断部分に,強い広帯域ノイズを挿入すると,中断部分がつながっているように聴こえると言う「連続聴効果」に関して,従来行われていた説明よりも,この「文法」による説明のほうが優れていることを示した。現在この点について,ネコを被験体として,単一神経細胞の活動を記録するような実験を行っている。 時間構造を持った刺激パターンの知覚における期待の効果についても生理実験を行った。 このように,時間知覚に関する種々の知覚現象について,知覚心理学,神経生理学の両面から実験的に検討を加えることができた。さらに,聴知覚一般に関しても,文法理論を導入することにより,ゲシタルト心理学に基づく様々の理論化の試みに対して,統一的な見解を示すことができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ger Remijn: "Mismatch between anticipated and actually presented sound stimuli in humans" Neuroscience Letters. 202. 169-172 (1996)
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[Publications] 中島祥好: "音脈の文法" 日本音響学会聴覚研究会資料. H-95-75. 1-8 (1995)