1995 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ単一細胞破壊システムの開発とその器官形成機構解明への応用
Project/Area Number |
07459027
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
林 茂生 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助教授 (60183092)
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Keywords | ショウジョウバエ / 形態形成 / 気管 / GFP |
Research Abstract |
ショウジョウバエの気管系は管状の上皮細胞ネットワークである。胚発生において外胚葉が陥入し、袋状の上皮構造を保ったまま分枝し、となり同士の枝が融合し気管系を形成する。気管の枝の伸展、標識認識、及び融合における重要な細胞生物学的問題の解明を目指して新しい観察技術の開発を行った。 気管形成を理解するためには生体内での気管枝の伸展、融合をリアルタイムで観察する技術が必要である。生体内で検出が可能なクラゲの蛍光蛋白green fluorescent protein(GFP)は蛋白の局在と遺伝子発現を追跡するためのマーカーとして大きな可能性を秘めている。しかしショウジョウバエでは蛍光強度が十分でなくその用途は限られていた。我々はGFPを改変した融合蛋白を作製し、検出感度の改善を試みた。その結果、核移行シグナルを持ち、β-ガラクトシダーゼに融合させたGFP(GFPN-lacZ)が強い蛍光を発し、幼虫と胚の二倍体細胞で検出が可能である事を見出した。気管系特異的遺伝子breathless(btl)のプロモーターを利用してGFPN-lacZを発現させるとbtlの発現に遅れる事約二時間で蛍光が検出された。コンフォーカル顕微鏡を用いると気管系の発生を10分ごとに2時間にわたって、蛍光の減衰なしに観察する事が可能であった。よってGFPN-lacZは生体内の形態形成を追跡する良いマーカーである事が示された。
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