1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07504008
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
楠 勲 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (30025390)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 毅 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90261479)
|
Keywords | 分子線 / ヘリウム原子散乱 / 表面反応 / 表面構造 / LiF / 差動排気 / ステッピングモーター |
Research Abstract |
本研究では、超音速分子線技術を表面研究に応用し、表面反応や分子線エピタキシ-で作製された表面の構造をその場で観測することのできる装置を開発することが目的であった。具体的には、基板表面に入射する分子の持つエネルギーをコントロールすることにより表面反応を制御すると同時に、ヘリウムビーム散乱でその特性を調べることの可能な装置の開発を最終的な目標としていた。 製作した装置は、大きく分けて、分子線作製装置、試料位置制御用マニピュレーター、回転型質量分析計(二段の差動排気系を含む)、そして真空装置本体および排気系からなる。分子線作製装置は、これまでの経験をいかしたもので、3段の差動排気、入射分子運動エネルギーのコントロール、ともに問題なく動作することを確認した。試料位置制御用ゴニオメーターについては、我々が開発した真空用ステッピングモーターを使用したことにより、ヘリウムビーム散乱を行う場合に必要な試料の高精度制御を実現した。当初、モーターからのガス放出が懸念されたが、とくに真空に対して問題がないことがわかった。回転型質量分析計はバックグランドガスを除去するために設置した二段の差動排気系とともに試料の周りを回転するよう設計したが、真空装置本体との接触部分のシールも実験を行う上で充分であることがわかった。 製作した装置を用いてヘリウムビーム散乱実験を行った。絞ったヘリウムビームを結晶表面に照射したときに散乱されたヘリウム原子を質量分析計を回転させながら検出した。結晶試料はLiF(100)を用いた。散乱ヘリウム原子強度の角度分布において、LiF(100)表面構造を反映した位置にピークを観測することができた。ヘリウムビームによる表面構造解析が可能であることが確認できたが、今後は、表面反応の結果現れる新たな表面構造を解析できるものと期待している。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] I.Kusunoki: "Nitridation of Silicon,Titanium,and lron surfaces with a low energy N_2^+ion beam." Scanning Microscopy. 印刷中.
-
[Publications] I.Kusunoki: "Comparison between the Reaction Mechanisms of Nitridation of Si(100)by a NH_3 molecular beam and by a N_2^+ion beam." Surface Reviews and Letters. 印刷中.
-
[Publications] T.Takaoka: "Initial stage of SiC growth on Si(100)surface" Journal of Crystal Growth. 183. 175-182 (1998)
-
[Publications] S.Ishidzuka: "Nitridation of Si(100) surface with NH_3" Applied Surface Science. 印刷中.
-
[Publications] 高見知秀: "オージェ電子分光、X線光電子分光、二次イオン質量分析、および原子間力顕微鏡によるNdFeB磁石の観察" 東北大学科学計測研究所報告. 印刷中.
-
[Publications] T.Takaoka: "Study of initial stage of SiC growth on Si(100)surface by XPS,RHEED,and SEM." Silicon Carbide and Related Materials. 印刷中.