1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07504011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 光昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022580)
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
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Keywords | ダ-クマタ- / 褐色矮星 / マッチョ / CCDカメラ / スバル望遠鏡 / 重力レンズ |
Research Abstract |
我々の銀河の中には光っていない物質が、光る物質の十倍以上も存在している事が知られている。このダ-クマタ-は、星になりそこねた小型の褐色矮星(マッチョ)ではないかと言われている。褐色矮星は光っていないので、後方に多数の星が集まっている領域を望遠鏡でのぞき、その星の前を褐色矮星が横切る時に後方の星が増光する現象(重力レンズ効果)を利用して発見する手法が提案されている。 この目的を達成する為には広領域を望遠鏡で同時にのぞく必要がある。そのため大面積を有するCCDカメラが必要となる。我々は国立天文台のスバル望遠鏡にも使用できるような、世界最大級の3cm×6cmのCCDを4台、本科研費で購入し、世界最大級のCCDカメラの製作に取り組んでいる。 現在CCDカメラの設計を終了し、調整段階に入っており、間もなく大型カメラをNZへ輸送して、NZの60cmの望遠鏡に設置し、大マゼラン星雲及び銀河中心方向を観測して、地球〜木星の質量領域にある軽い質量を有したマッチョが本当に存在するか否かをこの実験で明らかにする。米国-オーストラリア グループによると、太陽質量の十分の一以下のマッチョは存在しても少ないとの観測結果を報告しているが、彼等の観測は軽いマッチョに対応する短周期で変動する増光現象に対して感度が数%程度と悪く、今回の我々の観測にて初めてその存在の有無を明らかにできる。我々は世界で最初に我々の兄弟である惑星系を重力レンズ法にて発見したいと願っている。 平成8年度の夏には最初の結果を明らかにできる。
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[Publications] Y.Muraki et al: "MOA project in New Zealand" Proceed.2nd Int.Conf.on Gravtational Microlensing(published by ORSAY Lab). 1. 359-367 (1996)
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[Publications] M.Fujimoto et al: "High-Velocity Oblique Cloud Collisions,Gravitational Instability of a Shock" Publ.Astron.Soc.Japan. 47. 271-285 (1995)
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[Publications] 藤本光昭: "われわれの銀河系の中心で起きている謎の現象(訳)" パリティー. 10. 4-14 (1995)