1995 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶太陽電池用基板材料の低コスト直接製造法の開発
Project/Area Number |
07505021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70143386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 貴 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30212773)
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Keywords | シリコン / 精製 / 太陽電池 / 電子ビーム溶解 / 偏析 / 凝固 |
Research Abstract |
研究計画に沿って研究経過を説明する。 1.小型電子ビーム溶解炉による溶解実験 (1)気化除去に関する速度論的・熱力学的データ収集 50gのシリコンを6.3kWで40分ボタン溶解した後、不純物の分布を調べた。その結果Fe,Ti,Bではボトム部では減少しており、表面部では増加していることがわかった。気化除去は難しいが、偏析を利用した除去に期待がもてることがわかった。逆にCa,Al,Pでは表面で減少していることがわかった。ボタン溶解による不純物の物質収支を調べるために5gの試料をEB出力2.6kWで5分間溶解した。その結果Fe,Ti,Bは、蒸発による除去はほとんどなされていないことがわかった。Ca,Al,P等の元素は気化除去されていることがわかった。電子ビーム溶解による不純物の除去の律速段階は融体中の不純物の拡散段階にあることがわかった。 (2)凝固条件の策定 電子ビームを熱源として、水冷銅ルツボを用いたシリコンの連続鋳造を開発し、凝固偏折によるシリコン中不純物α精製を行った。その結果、電子ビームによる連続鋳造は、上方からの加熱と流動の少ない溶解法であるため方向性凝固に適していることがわかった。また、精製効果の点でもFe,Tiなどの遷移金属元素を偏析により除去することが可能であることがわかった。溶解出力が大きいほど精製効果が大きいことがわかった。6.9kW1mm/minで凝固した場合には、製造したインゴットの高さの70%まではFeは1/1000まで除去され、残りの部分に濃縮していることがわかった。 2.大型電子ビーム溶解炉への改造と溶解実験 溶解炉本体、電源設備、真空排気装置、冷却装置等はすでに設置済みである。溶解炉本体はリ-クチェック済みである。電子銃は、現在差動排気装置を取り付けるために改造中である。
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[Publications] Takashi Ikeda, M.Maeda: "Removal of Boron in metallurgical-grade Silicon by the Rotating Plasma Arc" 13th European Photovoltaic Solar Energy Conference. POZA.22 (1995)
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[Publications] T.Ikeda and M.Maeda: "Elimination of Boron in Molten Silicon by Reactive Rotating Plasma Arc" Materials Transactions,JIM. (1996)
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[Publications] 池田貴,竹内将,前田正史: "シリコンの連続凝固精製" 材料とプロセス. (1996)