1996 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアセン系有機半導体の電子物性と新型高性能二次電池への応用
Project/Area Number |
07505022
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山邊 時雄 京都大学, 工学研究科, 教授 (80025965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 静邦 鐘紡株式会社, 電池事業推進部, 部長
吉澤 一成 京都大学, 工学研究科, 助手 (30273486)
御崎 洋二 京都大学, 工学研究科, 助手 (90202340)
田中 一義 京都大学, 工学研究科, 教授 (90155119)
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Keywords | アモルファスカーボン / ポリアセン系有機半導体 / 二次電池 / 炭素負極 / リチウムイオン電池 / n型ド-ピング / 磁化率 / 電子スピン |
Research Abstract |
本研究では、アモルファスカーボン類の有力なメンバーであるポリアセン系有機半導体の電子物性を明らかにし、特にその新型高性能二次電池への応用を目的とするものである。本年の研究実績としては、以下のようなものが得られている。 (1)二次電池の炭素負極として使用可能で、かつ最適な条件を有するポリアセン系有機半導体作製の条件を確立し、その構造評価を行った。 (2)二次電池の電極として利用する際に不可欠なリチウムド-ピング、脱ド-ピングの機構についての詳細な知見を得るために、系統的な電気化学的測定を行い、その解析をした。その結果、本研究におけるポリアセン系有機半導体材料はその構造特殊性により結晶性グラファイトを凌駕する多量のリチウムを貯蔵することができるという知見が得られた。 (3)これらの知見をもとに、ポリアセン系有機半導体材料を負極とする二次電池のプロトタイプを設計・作製してその電池特性の解析を行い、改良を施した (4)さらに、リチウムの状態解析を行うための磁化率測定、電子スピン測定、同材料の構造解析のためリチウムの核磁気共鳴測定を行った。 これらの結果をまとめた論文については、既に投稿済みである。
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[Publications] S.Yata et al.: "Characteristics of Deeply Li-Doped Polyacenic Semiconductor Material and Fabrication of a Li Secondary Battery" Synth.Met.73. 273-277 (1995)
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[Publications] K.Tanaka et al.: "Electronic Property of Polyacene in a Constan t Magnetic Field Perpendicular to Condensed Aromatic Ring Plane" Synth.Met.79. 145-148 (1996)
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[Publications] K.Tanaka et al.: "Interlayer Interaction of Two Graphene Sheets as A Model of Double-Layer Carbon Nanotyube" Carbon. 35. 121-125 (1997)
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[Publications] K.Tanaka et al.: "Polymeric Materials Encyclopedia" CRC Press, 9 (1996)