1997 Fiscal Year Annual Research Report
海水流動のシミュレーションの海洋工学への応用に関する研究
Project/Area Number |
07505025
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤野 正隆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10010787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多部田 茂 横浜国立大学, 工学系研究科, 助教授 (40262406)
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10198947)
経塚 雄策 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80177948)
影本 浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40214275)
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Keywords | 海水流動数値シミュレーション / 超大型浮体 / 海洋物理計測 / 海洋物理環境 |
Research Abstract |
上記の研究者らは、かねてより海水流動の数値シミュレーションを精力的に行ってきた。司会、数値シミュレーションの有効性を真に検討するためには、現実のフィールド・データと比較検討し、シミュレーション結果の妥当性を検討することが、最も重要である。このような目的から、東京湾追浜沖に係留されている海洋空間利用のための実験供試浮体(通称メガフロート浮体,長さ300m,幅60m,深さ2m,喫水0.5m)まわりの海水の温度および塩分濃度の連続計測した(現在の計測は継続中)。計測は平成8年8月初旬から開始したので、19カ月に及び、貴重なデータが取得できた。海洋計測の結果、判明した事柄は以下の通りである。 (1)追浜沖に係留された長さ300程度の浮体では、浮体の存在が周囲の海水流動に与える影響は小さく、浮体の中央と浮体外の2点での水温や塩分濃度の変動は、浮体の存在する海域に卓越する潮汐等による基本流場に支配されている。 (2)夏季の成層期に、東京湾西岸(横須賀〜横浜)で表層近くの水温が約6°C、急降下し、かつ、塩分濃度が約3.5psu急上昇する現象が、計測期間中、数回認められた。これは西日本に台風が接近したときに東京湾では10m/sを越える南南西の風が連続的に吹送することによる沿岸湧昇の結果、東京湾内の下層にあった水温の低くかつ塩分濃度の高い海水が表層近くにもたらされた結果と予想した。 これらの事実を踏まえ、数値シミュレーションを行ったところ、浮体周辺の海水流動の基本的な特徴がシミュレーションで再現できること、沿岸湧昇により観測された水温および塩分の急変が定量的に説明できることなどを明らかにした。
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[Publications] 胡長洪 他: "多層モデルによる超大型浮体まわりの流況計算" 西部造船会会報. 第91号. 51-59 (1996)
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[Publications] Y.Kyozuka 他: "Numerical Simulation of Tidal Flow and Density Field around a Mega-Float in a Bay" TECHNO-OCEAN'96. PROCEEDINGS II. 633-638 (1996)
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[Publications] Shigeru TABETA 他: "Comparison between Simulation Results and Field Data about Currents and Density in Tokyo Bay" Journal of Marine Science and Technology. Vol.1,No.2. 94-104 (1996)
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[Publications] 井上義行 他: "浮体式空港の設計と環境外力の推定に関する検討" 日本造船学会論文集. 第179号. 165-171 (1996)
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[Publications] 平尾和誉 他: "密度成層流における振動円柱からの渦放出" 関西造船協会誌. 225. 239-238 (1996)
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[Publications] 藤野正隆 他: "内湾における局所的海水流動の数値計算(第1報)" 日本造船学会論文集. 第182号. 97-111 (1997)
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[Publications] 藤野正隆 他: "東京湾に係留されたメガフロート浮体周囲の海洋物理環境の計測" 日本造船学会論文集. 第182号. 419-433 (1997)
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[Publications] 藤野正隆 他: "超大型浮体の海洋物理環境への影響に関する一検討(第1報)(印刷中)" 日本造船学会論文集. 第183号. (1998)