1997 Fiscal Year Annual Research Report
植物バイオコミュニケーションのためのマルチエイジェントシステムの開発
Project/Area Number |
07506003
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高倉 直 長崎大学, 環境科学部, 教授 (50011929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 英司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00186884)
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Keywords | 安全同位体 / 光合成 / 呼吸 / 紫外線ケイ光 / レーザー照射 |
Research Abstract |
植物工場のような安定かつ高能率な野菜生産において、生長を最大にし、かつ高品質な野菜を生産するためには、環境条件の最適化を目的として、植物生体情報の正確な計測が不可欠である。しかし、植物環境条件と植物生理の関係はまだ十分には明らかにされていない。そこで、安定同位体を用いて、光合成と呼吸作用を同時に計測するシステムを開発し、同時に植物にレーザ光を照射して、その蛍光反応を捕らえて、植物の状態を総合的に解析するマルチエイジェントシステムの開発を目的とした。 本年度は、前年度に続き、安全同位体の^<13>CO_2を用いて、安全同位体比測定用精密質量分析計により、光合成と呼吸作用の同時計測を実施した。また、レーザ光照射システムを試作し、植物のレーザ誘引蛍光反応の測定を行った。 まず、安全同位体比計測では、前年度試作した3Lのリ-フチャンバーを用いて、ほうれん草とトウモロコシを用いて実験した。前年度と同様に、チャンバー内の二酸化炭素濃度(^<12>CO_2)を500,400,300ppmレベルに維持した後、光を照射し、10分後に^<13>CO_2を加えて、さらに15分後に光照射を停止し、明期と暗期について、この二つのガス成分の濃度変化を精密質量分析計で計測した。25分間の明期において、^<12>CO_2による光合成産物の分解はないとして、光合成と呼吸との分離独立計測が可能となった。この計測から光呼吸の存在が明確に示された。 次にアルゴンレーザとレーザポインタを用いた蛍光反応計測システムを試作し、ほうれん草とサラダナを用いて、水ストレスの存在が蛍光反応にどのように影響するか実験した。クロロフィルムaとbの蛍光比はあまり変化しなかったが、スペクトル全体の強度が変化し、これから水ストレスの影響を解析できることが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 二見 順,西 功,後藤 英司,高倉 直: "^<13>CO_2を用いた植物の光合成・呼吸同時分別測定システムの開発" CELSS学会. (発表予定).
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[Publications] ナンシー オカムラ,後藤 英司,高倉 直: "植物の光合成・呼吸の同時測定" 農業気象学会全国大会. (発表予定).
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[Publications] ジョウイ ノリカネ,後藤 英司,高倉 直: "LIFによる植物のストレス判定" 農業気象学会全国大会. (発表予定).