1995 Fiscal Year Annual Research Report
積層型プラスチックシンチレータによる重イオン粒子線深部線量測定装置の試作
Project/Area Number |
07507005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (A)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 俊彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 和律 三菱電機株式会社, 産業システム研究所, 主幹
大関 修治 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (80093384)
山本 幸佳 大阪大学, ラジオアイソトープ総合センター, 教授 (30029243)
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (50144530)
井上 武宏 大阪大学, 医学部, 助教授 (10159981)
|
Keywords | 放射線計測 / 深部線量分布 / 粒子線治療 / 重粒子線 / プラスチックシンチレータ / シンチレーションファイバー |
Research Abstract |
積層のシンチレーションファイバーを検出素子とし、発光をTVカメラで撮影、カメラコントロールを介してパソコンによる画像データの取得後、輝度分布のデータ処理により深部線量分布の測定が可能なシステムの基本設計を行なった。本年度は、検出素子要素の開発を主目的にし、1mmΦ、長さ200mmのポリスチレン製シンチレーションファイバー90本より構成され、加工の異なる2種のブロック状(30x30mm)素子を試作した。本装置はシンチレーション光の輝度分布を線量分布に換算していることから、CCDカメラの受光面上すべての位置での感度が一定であること、光の伝送効率が一様であることが要求された。照射前性能試験としてUVによる検討の結果、各ファイバー間の遮光性は十分であること、面素感度の差は5%程度、ファイバーブロックの光伝送効率はどの位置でも一様であることが確認された。また、データ処理時、ファイバーのわずかな位置のばらつきによる影響を少なくするため、ピークによる評価よりピーク面積による評価やデジタルフィルターの利用が好ましいと考えられた。重粒子線照射前の特性試験を電子線(4,6,9,12,15MeV)、X線(4,10,18MV)、陽子線(65MeV)によりおこなった。現在、データの解析中であるが、電子線、X線では既存のデータに近い結果が得られたのに対し、陽子線では分解能が不十分であり、今後の詳細な解析結果をもとに工夫・改良が加えられる。また、リングサイクロトロンのビーム利用を測るためビーム輸送系の設計・設置を行ない、移設後の照射装置との接続を完了させ、放射線医学総合研究所の研究者から重粒子線の測定とビーム整形法を学ぶとともにHIMACによる細胞照射実験を行った。平成8年4〜5月にはビーム通しと制御試験が行われ、重イオン粒子線による性能試験の行える環境が整えられる予定である。重イオン粒子線による性能試験をくり返すことで装置の完成をめざす。
|