1996 Fiscal Year Annual Research Report
積層型プラスチックシンチレータによる重イオン粒子線深部線量測定装置の試作
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07507005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 俊彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 和律 三菱電気株式会社, 産業システム研究所, 主幹(研究者)
大関 修治 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (80093384)
山本 幸佳 大阪大学, ラジオアイソトープ総合研究センター, 教授 (30029243)
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (50144530)
井上 武宏 大阪大学, 医学部, 助教授 (10159981)
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Keywords | 放射線計測 / 深部線量分布 / 粒子線治療 / 重粒子線 / シンチレーションファイバー / プラスチックシンチレータ |
Research Abstract |
平成7年度に引き続いて、試作した測定器による性能試験を行った。照射に使用した放射線種は大阪大学医学部附属病院の直線加速器からのX線(4,10,18M)および電子線(6,9,12,15MeV)、核物理研究センターのサイクロトロンからの陽子線(65,200MeV)と放射線医学総合研究所の重粒子線がん治療装置からの炭素線(290MeV/n)である。検出部であるファイバーブロックの加工法は遮光性から接着型が良く、画像を取り込む際ディジタルフィルターを使用することで大幅にノイズを低減することができた。従来の電離箱による測定値との比較ではX線、電子線の場合にチェレンコフ光の補正を、陽子線の場合には高エネルギー粒子による消光現象の補正をすることで深部線量分布の測定できることがわかった。さらに、検出素子の発光特性を実験的に求めて補正することによって精度を上げることができた。重粒子線の一種である炭素線照射においても単一ピークの測定は可能であったが、拡大ピークのように様々なLET成分からなる深部線量分布測定での一致は良くなく、なお一層の検討・改良が必要である。今後、様々な粒子線を用いた発光特性の測定にもとずいた消光現象の補正をすることによって重粒子線深部線量分布の高精度な測定を実証し、装置に回転、水平移動等の動きを加えて、よりコンパクトで使い易い三次元線量分布測定装置を開発していく計画である。かかる装置を使用することで基本的線量分布の測定に要する時間が大幅に短縮されることが期待される。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 井上武宏: "重粒子線深部線量測定装置の試作" 日放腫会誌. 8(suppl 1). 236 (1996)
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[Publications] 福島祥子: "陽子線と炭素線照射によるヒトリンパ芽球系細胞でのアポトーシス誘導" 日放腫会誌. 8(suppl 1). 280 (1996)
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[Publications] 井上俊彦: "陽子線・重粒子線治療と小線源治療の対比" 日医放会誌. 56(10). S237 (1996)
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[Publications] 井上俊彦: "重粒子線照射によるcell cycle arrestに対するp53の関与" 平成7年度放射線医学総合研究所重粒子線がん治療装置等共同利用研究報告書. 105-106 (1996)
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[Publications] Murayama,S.: "Construction of the irradiation system for biological and medical use in RCNP(2)." RCNP Annual Report 1994. 69-71 (1995)
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[Publications] Fukushima,S.: "Cell cycle kinetics and p53 protein induction in human lymphoblast cell lines following exposure to 65 MeV proton beam." RCNP Annual Report 1995. 66-69 (1996)
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[Publications] Tang,J-T: "Relative biological effectiveness of 65 MeV proton beam comparing with 137Cesium gamma rays at Research Center for Nuclear Physics in Osaka University" Med.J.Osaka Univ. 45. 1-4 (1996)
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[Publications] Tang,J-T: "Comparisons of radiobiological effectiveness at different depth in 65 MeV modulated proton beams" Brit.J.Cancer. (in press). (1997)
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[Publications] Tang,J-T: "Differences in repair of potentially lethal damage in chinese hamster ovary cells exposed to 65 MeV proton beams and 137Cesium γ rays" Oncology Reports. 4. 407-412 (1997)
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[Publications] Fukushima,S: "Induction of p53 protein by carbon ion and proton beam irradiation in two close human lymphoblastoid cell lines with different p53 status" Oncology Reports. 4(in press). (1997)