1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラット・マウスの行動発達自動解析装置の開発と実験的検討
Project/Area Number |
07551002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
関口 茂久 滋賀大学, 教育学部, 教授 (40024905)
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Keywords | 行動発達自動解析装置 / C57BLマウス / 移動区画数 / 立ち上がり回数 / Sprague-Dawleyラット |
Research Abstract |
初年度においては、次の3点について検討している: 1)行動発達自動解析装置の仕様を48糎正方形に8対の光電管と装置の中央振動センサーを取り付けた。8対の光電管の入力情報は、動物の四肢移動と方向を探知し、振動センサーからの入力情報は、動物の立ち上がり動作と発作を探知するためである。これらの入力情報は、インターフェイスを介してPC98コンピュータに取り込み数値変換されるようにプログラムを開発した。デジタル変換した入力情報は、モデムを介してMAC7100コンピュタ-と学部情報センターに電送して数値解析および画像解析することができるように工夫した。 2)開発した自動解析装置を用いて、近交系マウスのC57BL系マウスの行動分析を試験的に実施した。使用した動物は、AGE1群(148日齢)、AGE2群(198日齢)、AGE3群(423日齢)、AGE4群(440日齢)、AGE5群(570日齢)であり、個体総数125匹(雄70匹、雌55匹)である。結果は、移動量と8×8の区画の移動量とそれぞれの区画の滞在時間について解析した所、(1)移動区画数の10分間の推移曲線は右下がりの傾向が見られたこと、(2)最初の1分間の移動区画数と10分間の総移動区画数との相関係数が0.918(p<0.0001)であったこと、(3)総移動区画数と生後日齢との相関係数が0.501(p<0.0035)であったこと、(4)総移動区画数と立ち上がり回数との相関係数が-0.555(p>0.0001)であったこと等が発見された。これらの結果は、他の方法で見いだされた結果と一致している事実であることから、本研究で開発 された自動解析装置の汎用性が実証された。 3)現段階においては(1996.2.26)、Sprague-Dawley系ラットを用いて、生後17日齢から50日齢までの幼体期における行動発達曲線を計測中である。結果の一部を見ると、マウスにおいて検出した行動発達曲線と類似した傾向であること、さらに振動センサーの入力情報が生後30日齢以降に検出されること等が見いだされた。 以上の試験的成果は、次年度において計画されているミュータント・ラットの行動発達の実験的解析についての有用性が高いと予想できる。
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