1995 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙空間(無重力環境)におけるヒトの運動・知覚異常の機序解明
Project/Area Number |
07551013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古賀 一男 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (30089099)
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Keywords | 宇宙 / 無重力 / 運動知覚 / 知覚異常 / 眼球運動 |
Research Abstract |
重力の無い宇宙環境に生物が晒された時,そこには多くの解決しなければならない問題が生じると共に,我々にとって重力とは何であるかを再考しなければならない.宇宙空間におけるヒトの行動を考察する時限と頭部・頚部の協応運動などに地上1G下の場合と微妙に相違するものがあることが予想される.重力が人間の感覚にとって、どのモダリティが最も寄与しているかということを検討することを研究目的とする。その時、体性感覚や筋からの入力と関節の屈曲による深部感覚等等の異なった感覚情報が求心性に入力され,それがヒトの外界の知覚の成立に大きく貢献しているだろうことも一方では想像に難くない.この研究課題では、特に視覚を中心にした重力環境への係りを実験的に検討する計画である。宇宙空間における運動知覚の異常は自己中心の垂直軸と物理的垂直軸が一致しない環境下でのヒトの空間認識に係わる諸問題を,地上でプリプログラムされた行動の再統合の観点からも検討する。平成8年度では、眼球運動の滑動性成分が視覚的運動知覚を強く修飾することが最近の研究で明らかにされてきた点について,前庭入力に起因する眼球運動もまたその例に漏れない.ここではそのような因果関係がSASの成因に重要な役割を果たしていることを検討した.携帯用小型回転椅子の作製と航空機実験による低重力環境下におけるVOR成分変化の検討,およびその時のMotion PerceptionとVORの関係の検討は平成8年度に行うことになった。Motion Perception異常を規定する前庭系,眼球運動系の関与を定量的に決定する時に、特に眼球運動成分の知覚異常に関与する度合いに関して検討を加える。設備備品としての画像処理装置は、リアルタイムでビデオ画像の一時処理を行い、その結果を更にビデオ出力するものであるが、これを既存のトラッカーに入力することで眼球の回旋運動の処理を可能にするシステムは本年度中に開発を終了した。
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[Publications] 井尻憲一,山下雅道,長岡俊治,古賀一男: "微小重力でのメダカの姿勢制御と視覚の寄与" 環境医学研究所年報. 45. 63-66 (1994)
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[Publications] 古賀一男: "宇宙空間における知覚・運動の再統合過程" 環境医学研究所年報. 45. 317-317 (1994)
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[Publications] 東山篤規,古賀一男,太田芳博: "身体の傾きの知覚とその順応" 環境医学研究所年報. 46. 43-47 (1995)
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[Publications] 吉村浩一,古賀一男: "ボディ・イメージの視覚性:左右反転視開始直後の手・指の運動感" 環境医学研究所年報. 46. 39-42 (1995)
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[Publications] 古賀一男: "宇宙基地基礎実験費「小型生物衛星を用いたライフサイエンス実験」報告書" 平成4-6年度宇宙基地利用基礎実験費研究成果報告書. 1-250 (1995)
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[Publications] 井尻憲一,大坪孔治,河崎行繁,古賀一男,高林彰,最上善広,柳原大,山下雅道: "小型生物衛星を用いたライフサイエンス実験" 平成6年度宇宙基地利用基礎実験費研究成果報告書. 191-204 (1995)