1996 Fiscal Year Annual Research Report
位置、エネルギー、時間分解能を持つ直接X線撮像型CCDを使ったX線
Project/Area Number |
07554002
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
常深 博 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90116062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 晃永 浜松ホトニクス社, 固体事業部, 事業部長(研究職)
林田 清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30222227)
北本 俊二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70177872)
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Keywords | X線検出器 / CCD / 偏光X線 / 衛星搭載機器 / X線天文学 / エネルギー分解能 |
Research Abstract |
本研究は、高いエネルギー分解能、位置分解能といった特徴に加えて偏光検出能力をもつX線用直接撮像型CCDを開発することであった。2年目にあたる今年度は、昨年に引き続き浜松ホトニクス社の設備によってX線CCD素子の試作品を製作し、大学側の施設でその性能評価を行った。試作素子はピクセルサイズ12ミクロン、受光面6mmx6mmのものであったが、暗電流の量は-50度で0.005e-/sec/pixelと低く、この値は世界的にみてもトップレベルといえる。有効空乏層厚に関しては、特に高比抵抗の素材を使用した試作品で最大20ミクロンに達したことが確認された。さらに、偏光検出に有利なピクセルサイズの小さい素子(ピクセルサイズ6ミクロン)の試作も今年度開始された。 大学側では、X線CCDのドライブ、データ取得にDSPを利用したシステムを新たに開発するとともに、転送時のノイズを押さえるクロック方法を開発し、5.9keVX線に対する分解能140eVを達成するにいたった。また、全く新たな測定方法として、CCDの直前にCCDのピクンセルサイズとほぼ同じ間隔で穴のあいたメッシュをおき平行X線ビームを照射することで、CCDのピクセルより細かいサイズの構造を効率よく検出する方法を考案し実験で実証した。この方法は、X線CCDの較正方法として有効なばかりでなく、CCD内部でX線が吸収された結果生じる電子の振舞いに関して直接情報が得られるという点で大きな可能性をひめている。X線偏光検出はX線吸収によって放出された光電子の放出方向の異方性を検出するものであるため、メッシュによる実験と(今年度開発した)シュミレーションレコードをあわせることで、任意のピクセルサイズのCCDの偏光検出能力の定量的な予測が行えるようになった。さらに、我々はX線発生装置からの連続X線が管電圧の90%程度のエネルギーで50%程度の直線偏光度をもつことを実験により見いだし、実験室内で偏光検出実験が自由に行える環境を得ることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H,Tsunemi et al.: "Long Term beharior of Centaurus X-3 observed with the All Sky Monitor on board Ginga" Astrophysical Journal. 456. 316-319 (1996)
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[Publications] S.Kitamoto et al.: "Asca Observation of Cybnns OB2 Association" Publ.Astronomical Society of Japan. 48. 813-818 (1996)
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[Publications] H.Tsunemi et al.: "New Technique of the X-ray.Efficiency Measurement of a Charge-Coupled Device with a Suboixel Resolution" Japanese Journal of Applied Physics. 5月号. (1997)