1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 公雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (60113445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 晃永 浜松ホトニクス株式会社, 固体事業部開発部, 主任研究員
中村 光廣 名古屋大学, 理学部, 助手 (90183889)
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Keywords | アバランシェホトダイオード / シンチレーションファイバー / トラッキングディテクター / 放射線 |
Research Abstract |
シンチレーションファイバーアレーの読みだし用のアバランシェホトダイオードアレーの開発を推進した。 直径500μmのシンチレーションファイバーを7層(厚さ約3000μm)積んだシートを作り、その端面から放出される光の量は各ファイバー当たり10-20光子である。1本のファイバーからの光をアバランシェホトダイオード(APDと略称)で読むには、安定にAPDが働く200倍程度のゲインでは光量が少なすぎる。7層分をまとめて読み出せばAPDのノイズ限界(200-400ENC)を越せる。APDは電気的にマイクロシリコンストリップ(SSD)と電気的にほぼ同じキャパシターをもち、信号の強さもSSDで最小電荷粒子を読み出すときの信号量(10000電子相当)とほぼ同じ強さである。従ってAPDを読み出す為のアンプはSSDで使われているLAIを使える。 今回ノイズレベルを時間幅100nsec相当に付きENCで300程度に抑えたAPDを500ミクロンピッチに32channel(各channnelは500μm×3000μm)並べたICを開発した。APDのノイズはサーマルであり、空乏層を極力薄くすることでノイズを従来の70%程度に抑える事ができた。またゲインのばらつきも20%以内、量子効率はファイバーのブルー光(波長430nmの時)で見て60%(反射ロス込み)であった。 開発したPADを使い次のようにして実用化テストを行った。7層のファイバーシートに直接APDアレーに密着させを、APDにSSD用に使われているルックロイ製のアンプ(HQV810)をつなぎ、その出力を100nsecのシェ-パ-を通して読みだした。シート貫通する最小電離粒子が発する光の検出を試みて、粒子の通過していないチャンネルと通過したチャンネルとの出力の違いとしてS/N=5が得られた。この結果は使い場所によっては実用に耐えるS/Nである。この結果は平成7年秋の物理学会に発表した。
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