1996 Fiscal Year Annual Research Report
自動化されたコヒーレント型広帯域磁場NMR装置の試作
Project/Area Number |
07554011
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
笠松 義隆 呉工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (20043804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧原 忠幹 福山大学, 一般教育, 教授 (30004279)
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Keywords | NMR装置 / 強磁性体 / 広帯域 / 自動測定 / コヒーレント |
Research Abstract |
1.目的:強磁性体NMR装置の自動化は磁場掃引できる常磁性体の装置とは異なり、周波数に対して一点毎に試料回路と受信回路の調節を行わなければならないので容易ではない。本研究の目的は市販の高周波コンポーネントを使用することにより、簡素化された零磁場NMR自動測定装置を試作することである。 2.装置の試作:平成7年度は以下に述べる通り、既に製作されている自作のNMR装置を改良することによって、周波数帯域350MHzまで測定可能なコンピュータ制御の自動測定NMR装置を試作した。 (1)位相調節は手動であるが、非同調の試料回路によって広帯域測定できるように改良した。 (2)第1パルスの180°位相変換および参照信号の90°位相変換をコンピューターの出力で作動させるリレー回路を組み込んだ。 (3)標準信号発生器,ディジタルオシロスコープをコンピューターで制御させるプログラムを作った。 (4)非同調型による測定感度が、少なくとも同調型の感度以上になるように改善した。 (5)全周波数領域において異常な特性がなく、しかも感度の周波数依存性が平坦となるように、標準試料を用いて装置の調節を行った。 平成8年度は広帯域電力増幅器を追加して、この装置を1000MHzまで測定できるように改良した。 3.研究成果および今後の課題:本研究はほぼ順調に成果を上げることができ、これまで相当量の根気と時間を強いられていた零磁場NMR測定が、本装置により同じ時間内に同調型とほぼ同じ感度で容易に自動測定することとなった。コンピューターで制御されているので、講義・会議などの間の時間にセットするだけで、零磁場NMR測定を終日行うことも可能となった。 問題点としては、500MHz以上の周波数帯域における感度不足と回路の接続で生じる反射波の防止が十分でないことが挙げられる。従って、今後の課題として(1)500MHz以上の増幅度を上げること(2)スイ-プ・ジェネレーターを購入してインピーダンス・マッチングをより徹底することを計画している。
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[Publications] K.H.J.Buschow,G.R.Grechnev,Anders Hjelm,Y.Kasamatsu,A.S.Panfilov,I.V.Svechkarev: "Exchange coupling in GdM compunds" Journal of Alloys and Compounds. 244. 113-120 (1996)