1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中澤 高清 東北大学, 理学部, 教授 (30108451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 和夫 岸川特殊バルブ(株), 課長(研究職)
矢島 信之 宇宙科学研究所, 教授 (30200489)
岡野 章一 国立極地研究所, 教授 (10004483)
青木 周司 東北大学, 理学部, 助教授 (00183129)
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Keywords | 成層圏 / 微量気体 / 気球 / オゾン層破壊 / 気候変動 |
Research Abstract |
平成7年度と8年度に製作したピンチオフ弁、開口弁、制御回路、GPS受信機、ビ-コン電波発信機等を単体でテストし、確実に動作することを確認した。特に、ピンチオフ弁については、最適な動作条件を決定するためにアクチュエーターの薬量を50mg、75mg、100mgと変えてテストを行い、100mgを除いてリ-クはない(6.5×10^8atmcc/sec以下)ことを見いだした。なお、100mgの場合、ピンチオフ部の銅パイプが切断されてしまうことが分かった。昨年度に動作確認を行った開口弁についても再度検討を行い、開口部を銅とアルミを圧接したものにすることにより確実性が増すことが分かった。また、スチーム洗浄した試料採集容器に試料空気を充填・保存した後分析し、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン-11、フロン-12、フロン-113等の濃度やこれらの気体の炭素・酸素同位体比が時間的に安定していることを見いだした。さらに、これらを新たに開発した底部にアルミハニカムを取りつけたゴンドラに組み込み、実際と全く同じ手順にしたがって総合的な動作テストおよび落下テストを実施し、問題ないことを確認した。 完成した試料大気採集装置は、第39次南極観測隊によって昭和基地においてゴム気球を用いて飛揚され、成層圏の2高度で試料採集を行うことに成功し、本研究の所期の目的は達成された。なお、採集された試料の分析は間もなく実施され、同時期に行われたクライオジェニックサンプラーによる観測結果と比較することによって、最終的に本装置の有効性を検証する予定である。
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[Publications] Sugawara et al.: "Vertical profile of the carbon isotopic ratio of stratospheric methone over Japan" Geophys.Rce.Lett.24. 2989-2992 (1997)
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[Publications] 村山 他: "南極上空におけるCO_2濃度の変化" 南極資料. 41. 191-202 (1997)