1995 Fiscal Year Annual Research Report
積雪地域大規模地すべり地帯における微小地震観測法改良に関する研究
Project/Area Number |
07554019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大木 靖衛 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (30223754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見沢 海平 (株)高見沢サイバネティックス, 第4技術部, 次長
佐藤 修 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (00022624)
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Keywords | 微小地震観測 / 雑音除去 / 大規模地すべり / 消雪井戸水温 / 伏在活断層 |
Research Abstract |
1992年高柳町地震M5.4以来1992年津南町地震M4.6、1994年小国町地震M.33と新潟県南部東頚城地域の地すべり地帯で小規模被害地震が発生し、地すべりと地震の関係について本研究を展開している。1995年4月1日に北蒲原郡笹神村でM6.0の中規模被害地震が発生し、新潟市を中心とした地震空白域が指摘され、M7クラスの直下型地震が危惧されている。東頚城地域の大規模地すべりは地下数kmのジオプレッシャー型熱水の消長が地震発生のトリガー(契機)になると推定される。 1.本研究は地すべり地帯の活断層で微小地震観測を行うために地震以外の雑音を除去する装置の開発である。開発した地震計の性能をてすとする場所として地すべり地帯を考えていたが、笹神村付近で発生する余震の観測の方がより適切となっている。 2.震央地区では震度6(烈震)地帯が識別され、その分布から地下の起震断層の存在が推定された。笹神村付近の余震観測から、震源は地下1〜5kmの浅所で発生していることが明らかになった。冬期に本地域の消雪井戸水の測温・水質調査を実施したところ震度6域と重なるように異常高温・異常水質分布域が広がっていることが明らかになった。新潟平野深部にも東頚城地すべり地帯深部と同様なジオプレッシャー型熱水が存在していることが明瞭になった。 3.地震計高見沢サイバネティックスSTR110の改造では、第4チャンネルの感度を強震計のレベルまで落とし、強い有感地震でもP-S時間の計測が出来るよう装置の機能の追加を図った。 4.除雪作業・土木工事・自動車・強風・屋根雪落下などの雑音信号の収集をした。 5.地震以外の雑音を回路的に除去するプログラムの作成を行った。 6.野外観測で兎や狸のよって換振器と記録計をつなぐケーブルの切断おきた。その対策を検討中である。 なお、新潟県ではわれわれの平野の伏在活断層の発見とその活動度評価の研究を重要視し、県の地震被害想定の資料に加えたいという強い要望を持っている。本研究をより広い地域にまで広げ、地元の地震防災事業に役立つよう研究を進展させる予定である。
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[Publications] 大木靖衛: "1995年新潟県北部地震の震度分布と伏在活断層" 月刊地球. 17. 766-773 (1995)
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[Publications] Yasue Oki: "1995 Northern Nigata Earthquake of M 6.0 and Buried Fault Imaged by Distribution of Seismic Intensity" 積雪地域災害研究センター 研究年報. 17号. 1-176 (1996)
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[Publications] 大木靖衛: "1995年新潟県北部の地震について"