1996 Fiscal Year Annual Research Report
積雪地域大規模地すべり地帯における微小地震観測法改良に関する研究
Project/Area Number |
07554019
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大木 靖衛 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (30223754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見沢 海平 高見沢サイバネティックス第4技術部, 次長
渡部 直喜 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助手 (60282977)
佐藤 修 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (00022624)
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Keywords | 人工雑音除去高感度地震計 / 地震波選別プログラム / ジオプレッシャー熱水系 / 1995年新潟県北部の地震 / 伏在活断層 |
Research Abstract |
積雪地域における冬期の地震観測は常時除雪が行われている生活道路に隣接した地点で行わなければならない。生活道路から離れた地点に地震計が置かれると記録の収集、地震計の維持管理が不可能になる。冬期交通は生活道路に集中するするため著しく地震外の雑音が高くなり、人工雑音除去高感度地震計の開発が必要になった。 本研究では雑音発生地点にたいして直線状に並ぶ2台の地震計を用い、距離による振幅の減衰の大きい性質を利用して、減衰率の大きい信号を雑音、2地点に対しほぼ等しい振幅を与える信号を地震として選別記録する装置を試作し、STR-110地震計と名付けた。更に、地震波形と各種の雑音波形の比較解析を行い、地震波を選別するパソコンプログラム(MCDと名付けた)を開発した。STR-110地震計でICカードに収録した振動からMCDプログラムにより地震波を選別し、震源決定のためのデータベースを作成した。 平成8年度はSTR-110地震計の雑音除去条件の適切なパラメータを、各地の地震観測により求め、平成7年度に試作した地震計の欠点を修正した。地震波選別プログラム(MCD)のシミュレーションを観測データ76件(目算により地震24件、雑音48件、不明4件)について行い、雑音48件中45件(92%)が雑音として選別された。本試作地震計では、地震波選別のパラメータは簡単に選定或いは変更が出来るので、雑音の多い地点での高感度地震観測を効率よく行うことが可能となり、本研究の目的は達成された。 本研究ではジオプレッシャー熱水系と地震活動の関係を探る計画を含んでいる。本地震計を用いて1995年新潟県北部の地震の地震観測を行った。震央の震度6域の分布から平野の地下にある伏在活断層が推定され、地下水の水質・水温などからジオプレッシャー熱水が伏在活断層に沿って湧出していることが明らかになった。
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[Publications] 大木靖衛,他4名: "1995年新潟県北部地震の震度分布と伏在活断層について" 月刊地球. 17号. 766-773 (1995)
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[Publications] 大木靖衛,他5名: "1995年新潟県北部の地震" 第四紀研究. 35巻. 153-163 (1996)
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[Publications] 河内一男,大木靖衛: "1670年西蒲原地震の震央の再検討" 地震第2輯. 49巻. 337-346 (1996)
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[Publications] Y.OKI et al.: "1995 Northern Niigata earthquake of M6.0 and a buried fault imaged by distribution of seismic intensity" Ann.Report of Saigai-kenn,Niigata Univ.No.17. 69-82 (1996)