1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554035
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 一彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80124220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 久夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (60232237)
大内 幸雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60194081)
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Keywords | クラスタービーム / 有機超薄膜 / シアニン色素 / 液体ジェット / ロ-ダミンB |
Research Abstract |
本年度は、昨年度完成した部品類を用いて溶液クラスタービーム装置の組立、調整、ならびに装置を用いての有機超薄膜作製の試みを行った。具体的に行ったことを、以下に箇条書きで示す。 (1)装置の組立を行い、真空チェックを行った。 (2)ついでに水を用いて、液体を真空中に噴射する予備実験を行った。噴射ノズルの調整などを行った結果、2つのスキマ-を通して液体ビームを噴射できるようにすることができた。 (3)この状態の装置を用い、ロ-ダミンBの水溶液、並びにエタノール溶液を用いて、ガラス基板上に膜を作製することに成功した。噴射口の温度、並びに送液量を変化させ、種々の膜を作製した。 (4)このようにして作製した膜について、偏光顕微鏡観察、可視吸収スペクトル測定、蛍光測定、X線光電子分光法などによる評価を行った。 このように、装置は膜作製を実際に行える状態にまで稼働している。現在はまだ微小結晶が基板上に散在する状態の膜か、溶液が液滴として基板に付着後に乾燥した膜しか作製できていないが、今後 (a)溶媒、噴射パラメーター、ノズル温度などの実験パラメーターについてのさらなる最適化 (b)液体ビームのパルス化 (c)電場や過熱など、単なる噴出ではなく、積極的にビームを加工する試みなどの手法によって、真に有効な膜作製法へと発展させる目算が着いたと考えている。 また、資料としてもより興味深いシアニン色素などの膜作製により、J会合体作製の制御などの膜制御を行うべく、種々の資料を試みる予定である。
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