1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554044
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 昭 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70023471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 達人 三井東圧化学(株), ライフサイエンス研究所, グループリーダー
松岡 信 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (00270992)
伊藤 正樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10242851)
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Keywords | チアミン抑制遺伝子 / 植物遺伝子プロモーター / 糖飢餓応答遺伝子 / 形質転換植物 / タバコ培養細胞 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
植物の遺伝子の機能を解析する一つの手段である植物への遺伝子導入にあたって、外部からの刺激によって発現を調節することができるプロモーターが少ないため、その遺伝子の機能によっては形質転換後の正常な植物体の再生がうまく行かないことが多い。本研究は、この問題を解決するための人為的操作によって発現調節が可能なプロモーターを開発することを目的として計画された。その目的のためには、植物のもつ遺伝子の中から生理的に穏やかな特定の条件によってのみ発現するものを見いだし、そのプロモーターを解析することが、使いやすい形のプロモーターを得るための要件となる。本年度は昨年度の引き続き、タバコ培養細胞を用いてチアミン欠乏時に発現する遺伝子の解析を行った。この遺伝子は、培養細胞の倍地からチアミンを抜くことによって発現が誘導されることから、個体レベルでの発現調節には不向きであるが、細胞周期の調節遺伝子や細胞内のタンパク質輸送に関連する遺伝子等、培養細胞で行える研究には有効に使用できるのではないかと考えられる。また、生理的濃度範囲の糖の投与によって発現が抑制される遺伝子も複数種見つかり、遺伝子クローンの単離を進めている。これらの遺伝子は、形質転換後の植物の再生過程の培養条件には糖が不可欠であることから、そのプロモーターを使えば少なくとも導入した遺伝子が再生過程で発現することはなく、また、個体再生後にその植物体を暗所に置くなど、きわめて穏やかな処理によって光合成を阻害することで糖飢餓状態を作り出せば、導入した遺伝子の発現を誘導することが可能であり、きわめてよく目的に合った有効なプロモーターが取得できると期待している。今後これらの遺伝子についてその発現特性をそこなわないように上流域を切り出し、レポーター遺伝子を使用して実際に形質転換後植物を作製して有効性を確認する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ito,M.,et al.: "Cell-cycle regulated trancription of A-and B-type plant cyclin genes in synchronous cultures" Plant J.印刷中 (1997)
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[Publications] Sato,Y.,et al.: "Abnormal cell divisions in leaf primordia caused by the expression of the rice homeobox gene OSH1 lead to altered morphology of leaves in transgenic tobaco" Mol.Gen.Genet.251. 13-22 (1996)
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[Publications] Sato,Y.,et al.: "A rice homeobox gene, OSH1,is expressed prior to organ differentiation in a specific region during early embryogenesis" Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93. 8117-8122 (1996)
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[Publications] Gallusci,P.,et al.: "Regulation of cytosolic pyruvate, orthophosphate dikinase expression in developing maize endosperm" Plant Mol.Biol.31. 45-55 (1996)
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[Publications] Ku,M.,et al.: "Evolution and expression of C4 photosynthesis genes" Plant Physiol.111. 949-957 (1996)
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[Publications] Wu,G.and Watanabe,A.: "Import of modified D1 portein and its assembly into photosystem II by isolated chloroplasts" Plant Cell Physiol.38(印刷中). (1997)
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[Publications] Sanmiya,K.,et al.: "Cloning of a cDNA that encodes farnesyl diphosphate synthetase and the blue light-induced expression of the corresponding gene in the leaves of rice plants" Biochim.Biophys.Acta. (印刷中). (1997)