1995 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導トンネル接合素子を用いた宇宙X線検出器の開発
Project/Area Number |
07554049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大橋 隆哉 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70183027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉門 雅彦 新日本製鐵, 先端技術研究所, 主任研究員
村上 敏夫 宇宙科学研究所, 助教授 (60092350)
山崎 典子 東京都立大学, 理学部, 助手 (20254146)
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Keywords | X線天文学 / X線検出器 / 超伝導 / ジョセフソン接合 |
Research Abstract |
平成7年度は本研究の初年度最終年度にあたる。まず超伝導トンネル接合検出器(STJ)を用いてX線の信号を出すことと、その信号波形を定量的に解析できるようなシステムを作ることを目指して実験を進めた。素子は新日鐵で製作されたもので、単接合素子と直列接合素子の二種類について試験した。冷却系はHe-3を封入したクライオスタットである。まずこのクライオスタットに外部からX線を入射できるようダクトを接続し、その中に素子をマウントした状態で0.3Kという低温が達成できることを実証した。続いて、単接合素子にFe-55のX線を当てる実験を行ない、エネルギー分解能約100eVを得た。しかし低エネルギー側の裾が多く、実験方法を含めて改良の余地がある。ついで、直列接合素子にα線を当てる実験を行ない、照射位置と出力パルスの立ち上がり時間の関係を調べた。α線を当てる場所を1mm移動すると立ち上がり時間が約2μsec変化し、直列接合素子が優れた位置検出能力を持っていることが確かめられた。本年度としては、都立大学の装置でSTJの冷却が定常的に行なえるようになったこと、また実際に放射線による信号を出せたということ、また波形データをもとにSTJ内部でのフォノンや電子(準粒子)の振舞いについて定量的な考察が行なえるような解析システムも動き始めた、などの点で初年度としてはほぼ目標を達成できたと考えている。STJの性能をどのようにして向上させるかが本年度以降の実験課題である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tashiro,M.: "In-Orbit Performance of the GIS instrument on-board ASCA" SPIE. 2518. 2-12 (1995)
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[Publications] Ohashi,T.: "The Gas Imaging Spectrometer on-board ASCA" Publ.Astron.Soc.Japan. 48(印刷中). (1996)
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[Publications] Makishima,K.: "In-orbit Performance of the Gas Imaging Spectrometer on-board ASCA" Publ Astron.Soc.Japan. 48(印刷中). (1996)