1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
水谷 五郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (30183958)
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Keywords | 光第二高調波発生 / 新しい表面分析法 / 非線形光学 / 非面物性 |
Research Abstract |
光第二高調波発生法(SHG)は高い表面感度をもち、固体表面の対称性に敏感な表面分析法である。本研究ではこの特徴を生かし、対称性に関わる物理量(表面のストレス、欠陥、電子状態の変化など)の二次元分布を測定することができるSHG顕微鏡の開発を行い、さらに実際の表面現象の観測に応用することを目的として研究を行ってきた。本年度はSHG顕微鏡の開発及び予備実験を以下のように行った。 1.表面電子状態に関する詳細な情報を得るためにSHG測定の励起光源として波長可変レーザーシステムを用いる。このための光学系と制御系の設計および構築を行った。 2.高い空間分解能を達成するためにSHG顕微鏡の本体として市販の落射型蛍光顕微鏡を用い、SHG測定を可能にするためのフィルター群の追加と励起光導入の外部光学系の設計製作を行った。 3.SHG顕微鏡の機能検証の予備実験として、可視レーザー光を顕微鏡に入射させた試料からの反射光像の観察を行った。その結果、試料の反射率分布を反映した像を得ることができ、SHG顕微鏡として十分動作可能であることが確認できた。 4.真空中の試料を観測するために、本SHG顕微鏡に適した光学接続部をもつ真空槽の設計を行った。 5.従来の走査型SHG顕微鏡を用いて金属多層膜パターンの観測を行い、光の侵入長より深く埋め込まれた異種金属がSH像のコントラストをつくるという興味深い結果を見出した。 6.超伝導体の表面電子状態の2次元分布を探ることを目的に、まず予備実験として多光子励起発光の測定を行い、常伝導-超伝導遷移において非線形光学応答が変化することを見出した。 現在、空間分離能などの基本性能の確認と励起光強度の最適値などの測定条件の決定を行う計画である。平成8年度以降は、半導体微細パターンや超伝導体パターンの観察などSHG顕微鏡を実際の表面研究に応用していく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tanaka: "Optical second harmonic intensity image of multi-layered metal film patterns" Progress in Crystal Growth & Characterization of Materials. (印刷中).
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[Publications] E.Tominaga: "Multiphoton-induced luminescence from superconducting Nb_3Sn" Progress in Crystal Crowh & Characterization of Meterials. (印刷中).