1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山中 明生 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30182570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 麗敬 リツー応用光学株式会社, 取締役社長
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Keywords | ラマン散乱分光 / 2マグノン散乱 / ラマン分光器 / ツェルニ-ターナー型分光器 / ダブルグレーティング分光器 / 回折格子 / 軸外し方物面鏡 / CCD光検出器 |
Research Abstract |
ラマン分光の近年多様な分野で用いられ、ラマン分光装置は小型化・高感度化・多機能化が求められている。しかし市販装置はこの面で充分とはいえない。例えば、2マグノン散乱のように4000cm^<-1>以上に至る測定(広領域・低分解計測)や格子振動の計測(狭領域・高分解計測)を1つの装置で、簡単に対応することはできない。また市販装置は感度の点でも不充分である。本研究では、上記の多様な計測を満足する小型・高感度なラマン分光器を試作する。 1.装置の基本設計を行った。多様な計測を満足するため、M型配置を変形した独自のツェルニ-ターナー型ダブルグレーティング配置を採用した。回折格子をワンタッチ切り替え可能とし、(i)計測領域:500cm^<-1>分解能:1cm^<-1>(狭領域・高分解計測),(ii)計測領域:1000cm^<-1>分解能:2cm^<-1>(中領域・中分解計測),(iii)計測領域:4000cm^<-1>分解能:10cm^<-1>(広領域・低分解計測)を1つの装置で可能となった。また試作装置では軸外し方物面鏡を採用し、結像特性の改善をはかった。 2.基本設計をもとに分光器部の試作を開始した。平成8年2月末日時点で、試作は80%以上完成した。しかし最終的な調整に後3ケ月程度必要と思われる。 3.フィルター部の基本設計を行った。試作は平成8年5月に開始する予定である。 4.液体窒素冷却型CCD光検出器を購入し、検出器の基礎性能試験を行った。制御用ソフトに若干の問題が見られ、ソフトの改良を行った。 以上のように、試作研究の進捗はほぼ予定どおりであり、試作装置の本格的試験の開始はは平成8年8月ごろを予定している。
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