1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07554054
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山中 明生 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30182570)
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Keywords | ラマン散乱分光 / 2マグノン散乱 / ラマン分光器 / ツェルニ-ターナー型分光器 / ダブルグレーティング分光器 / 回析格子 / 軸外し方物面鏡 / CCD光検出器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来型のラマン分光器の欠点を解消し、より高感度で多様性をもつ新型ラマン分光器を開発する事である。前年度までに装置の基本設計を完了し、分光器部分の一部の制作に着手していた。研究最終年度である本年度では、装置試作を完了し、さらに開発分光器の基礎特性の確認を行った。その結果、 1.設計段階では分光器のF値=3.2を予定していたが、回析格子の切り替え機構の制約から、F値〜4程度となってしまった。しかし、従来型の分光器(F値〜6)にくらべ集光高率は2倍程度よいシステムである。 侠領域・高分子解計測,中領域・中分解計測,広領域・低分解計測の切り替えは、スムーズに高精度におこなえる分光器である。 3.非球面ミラーの採用により、スペクトル分解能が向上した。 4.宇宙線ノイズの除去用の新しいソフトウェアーを開発した。その結果、S/N比が大幅に改善された。なお本報告書に記した論文は、開発した新しいソフトウェアーを、従来型のラマン分光システムに流用して得られた結果である。その結果高温超伝導研究で多くの成果が得られた。 5.フィルター部は古い設計を流用したため、コントラストの点で若干不充分である。 開発でしたラマン分光器は従来型に比べ約5倍高感度であることが確認された。なお本装置は充分一般の使用に耐えるものであることも確認された。
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[Publications] A. Yamanaka他: "Investigation of low-energy electronic response in high-T_c superconductor by Raman spectroscopy," SPIE proceedings Spectroscopic Studies of Superconductors. 2696. 276-283 (1996)
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[Publications] 山中明生: "ラマン分光から見た酸化物超伝導メカニズムの解明" 新超電導材料研究会発行 NSMF NEWS. 56. 10-17 (1996)
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[Publications] K. Inoue, M. Wada A. Yamanaka: "Experimental Study of LO-TO Splitting in Hexagonal Barium Titanate" J. Korean Phys. Soc.29. 5721-5724 (1996)
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[Publications] Y. Inaba, A. Yamanaka他: "Hyper-Raman Scattering Study of the Ferroelectric Modes in Single-Oriented Tetragonal Crystal of SrTiO_3 at Low Temperatures" J. Korean Phys. Soc. 29. 5724-5728 (1996)