1996 Fiscal Year Annual Research Report
微細藻類を固相表面に付着させた二酸化炭素固定システム
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07554068
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
都筑 幹夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 正彦 (株)東芝 重電技術研究所, 研究員
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Keywords | 二酸化炭素 / 微細藻類 / 環境 / クロレラ / 大気環境 |
Research Abstract |
微細藻類を用いた二酸化炭素固定システムの開発をめざして、実現化の問題点を検討した。単細胞緑藻クロレラをグラスファイバーフィルター上にのせた系を用い、光合成による二酸化炭素の固定量と乾重量の増加との関係を解析した。CO_2固定の最終産物がもしすべてデンプンであったとすると、乾重量の増加はCO_2固定速度の0.68倍になるはずであるが、実測の結果は0.55〜0.70であった。そして、この値はCO_2濃度によってそれ程大きな変化はないことが明らかとなった。この結果から屋外等において実際にCO_2固定速度を測定できない場合にも乾燥重量の増加からCO_2固定量を推定できることとなった。そこで、装置を屋外に出し、太陽光を利用することを試みた。しかし、クロレラ細胞をのせたフィルターをそのまま屋外に置くと、水の蒸発のためフィルターの温度が下がり、真夏でも十分な光合成を行わないことが判明した。加温すると蒸発が速まった。そこで、サランラップなどをかけることによって蒸発を抑えてみたが、CO_2の供給も抑えられた。アクリルチャンバー内にフィルターを置き、温度の低下をできるだけ抑えて太陽光と人工光との比較を行った。晴れた日の光強度は人工光より強いにもかかわらず、全有機炭素量の増加は人工光の方が高い値となった。この結果は、光の受け方の工夫とフィルターの実際の温度の測定とを工夫する必要性を意味している。しかし、日本の放出量を検討したところこれまでの値ではまだ低く、太陽光をより効率よく利用するための工夫が必要であることが明らかになった。そのため、地表に到達する光をすべて利用して光合成を行わせるべく、筒状の装置を作製し、液体中での光合成を行わせ、単位面積当たりの光合成量はかなり増加することが明らかとなった。
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