1996 Fiscal Year Annual Research Report
無脊椎動物神経ネットワーク活動の光学的計測システム
Project/Area Number |
07554071
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Section | 試験 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高畑 雅一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10111147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 悦朗 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80203131)
長山 俊樹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80218031)
鈴木 教世 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10001851)
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Keywords | 無脊椎動物 / アメリカザリガニ / 光学的計測システム / 樹状突起 / シナプス活動 / カルシウム蛍光指示薬 / 画像処理・解析 / 中枢細胞 |
Research Abstract |
無脊椎動物神経ネットワークにおけるシナブス活動を生理学実験とともに光学的に計測して、シナプス機能部位を可視化する試みとして、本年度は、中枢神経系内の神経細胞に、カルシウム濃度の指示蛍光物質であるFura-2を注入し、シナプス活動にともなうその蛍光強度変化を、実体解剖顕微鏡(作動距離20cm)に取り付けた高感度ビデオカメラとコンピュータ画像処理・解析によって調査した。実験材料としては、アメリカザリガニProcambarus clarkii Girardを用いた。 励起光の光源には、落射蛍光顕微鏡用の高圧水銀ランプを用い、2種類のバンドパスフィルターを用いて、341.7nmと379.7nmの紫外線を取り出し、それぞれを実験中の標本に落射証明した。標本からの光は、カメラ用の黄色ロングパスフィルターを用いて励起光を除去した。その結果、機械感覚性の上行介在神経において、1)無刺激状態で379.7nmの紫外光照射に対して細胞体、主要樹状突起および軸索など細胞像の概略を可視化することが可能である、2)341.7nmの紫外照射では、肉眼では識別不可能だが、計算機を用いて画像処理をすることによって、379.7nmほど明確ではないが、細胞体および主要樹状突起を可視化することが可能である、3)刺激時には341.7nm照射に対して無刺激時よりも強い蛍光強度を示す樹状突起部位が観察される、などの知見が得られた。ビデオ画像取込は約20秒間にわたって行い、刺激はその間、感覚神経軸索束を毎秒1回電気刺激することにより行った。この変化が、シナプス活動にともなう細胞内カルシウム濃度変化に対応するものかどうかについては、今後、両波長に対する蛍光強度比を無刺激・刺激時で比較して明らかにする必要がある。また、刺激時の蛍光強度変化を最大限に記録可能とするための刺激条件とビデオ取り込み条件の組み合わせを検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ryou Hikosaka: "Variability and invariability in the structure of an identified nonspiking interneuron of crayfish as revealed by three-dimensional morphometry" Zoological Science. 13. 69-77 (1996)
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[Publications] Akira Takashima: "Cholinergic transmission from mechanosensory afferents to an identified nonspiking interneuron in the crayfish Procambarus clarkii Girard" Journal of Comparative Physiology. 179. 447-454 (1996)