1997 Fiscal Year Annual Research Report
並列化ab initio分子軌道プログラム・パッケージの開発
Project/Area Number |
07554083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90251363)
小原 繁 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (80160935)
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)
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Keywords | 分子軌道法 / ab initio法 / 並列化アルゴリズム / MRMP法 / 密度汎関数法 |
Research Abstract |
本研究では、ab initio分子軌道計算の主要ステップ並列化を順次行い、最終的には並列化分子軌道プログラムパッケージを作成することを目的とした研究を行ってきた。プログラミングに際しては、量子化学の最新の手法を取り込むとともに、新しい方法論、アルゴリズムの開発も随時行い、さまざまな分子系に対する応用計算を通してその適用妥当性や限界を探りつつ、プログラムに実装してきた。プログラム設計の基本的考え方は、ベクトル化に対しても容易に対応できるように配慮し、近い将来利用できるようになるであろうベクトル化並列コンピュータ上での実行に有用なプログラムとすることである。これまで、具体的には、わたしたちが提唱した分子理論、Multireference Moller-Plesset(MRMP)法のプログラム、密度汎関数のプログラムを完成し、MRMP法のプログラムの一部、原子軌道から分子軌道への積分変換プログラムの並列化を行った。さらにこれらのプログラムを基礎にして、主に並列化の部分に焦点をしぼった開発を行った。同時に、分子構造を探査する上で非常に重要なエネルギー勾配法のアルゴリズム、プログラムの開発を行い、現在テスト計算を行っている。密度汎関数プログラムについても、並列化に向けて、新しい相関汎関数の提案を行った。さらに、分子軌道計算における最初のステップであり、かつ一つの律速段階で全体の中で多くの計算時間を要する原子軌道基底の分子積分の計算部分について、小原による最新のアルゴリズムを用いてプログラムを作成し、既存のプログラムパッケージであるGAMESSに組み込んだ。またこれらの開発プログラムを利用して、分子の電子励起状態、ダイナミクスの解明に応用し、アルゴリズム、及び、プログラムの実用性の実証を行った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Nakano: "Analytic Energy Gradients for Multicontigurational Self-Consistent Field Second-Order Quasidegenerate Perturbation Theory" The Journal of Chemical Physics. 108(印刷中). (1998)
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[Publications] K.Hirao: "A Complete Active Space Valence Bond Method with Nonorthogonal Orbitals" The Journal of Chemical Physics. 107. 9966-9974 (1997)
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[Publications] T.Taketsugu: "A Least Action Variational Method for determining Tunneling Paths in Multidimensional System" The Journal of Chemical Physics. 107. 10506-10514 (1997)
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[Publications] T.Tsuneda: "A New Spin-polarized Colle-Salvett-Type Correlation Energy Functional" Chem.Phys.Lett.268. 510-520 (1997)
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[Publications] T.Hashimoto: "Contracted or Uncontracted Polarization Functions? Comment on Punning′s correlation-Consistent Basis Sets" Chem.Phys.Lett.273. 345-352 (1997)
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[Publications] T.Hashimoto: "Theoretical Study at Valence and Rydberg excited States of Benzene revisited" The Journal of Molecular. Structure (Theo Chem.). (印刷中). (1998)
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[Publications] H.Nakano: "Research Trends in Theoretical Chemistry" Research Trends(印刷中), (1998)
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[Publications] K.Hirao: "Functionality of Moleculer Systems" Springer, 22 (1998)