1996 Fiscal Year Annual Research Report
反射型FT-IR時間分解分光法を用いた液晶界面配向ダイナミクス解析法の開発
Project/Area Number |
07554086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 弥和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70180205)
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Keywords | 液晶 / 界面配向 / 電場応答ダイナミクス / 時間分析FT-IR / アンカリング効果 / 高感度反射法 / 分光エリプソメトリ / デプスプロファイリング |
Research Abstract |
本研究では、基板界面近傍における液晶分子の動的配向特性を解析する目的で、空間/時間分解能をかねそなえた新しい分光測定法を確立した。 1.反射型FT-IR時間分解分光法(FT-IR TRS)の採用により、液晶の界面配向ダイナミクスを200ナノ秒の時間分解能で解析することに成功した。また、本測定法の採用により、ネマチック液晶およびマイクロ秒オーダーの高速応答を示す強誘電性スメクチック液晶の電場配向挙動を解析することにも成功した。ただし、FT-IR TRS測定の空間分解能は、高感度反射法(RAS)を用いた場合でも、サブミクロンからミクロン程度にとどまり、界面挙動のみを選択的に解析することは困難であることがわかった。 2.反射配置の時間分解分光エリプソメトリを採用することにより、界面近傍における液晶分子の配向ダイナミクスとアンカリング特性を100〜200Åの空間分解能で解析することに成功した。また、時間分解能についても、光弾性素子(PEM)によって測定光を変調させることにより、100マイクロ秒の値を実現した。さらに、本測定システムは、入射角が可変であり界面近傍のデプスプロファイリングができる、透過測定により試料全体のダイナミクス解析ができる、特殊なセルを必要とせず通常のガラスセルで測定可能である、などの特徴ももつ。 本研究で開発した解析法は、液晶分子の動的向特性をナノスケールの時間/時間分解能で解析する新しい研究領域を開くものであり、基礎研究上の意義はもとより、応用分野の研究発展にもつながる高い社会的貢献度を持つものである。
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