1995 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ非線形分光分析プローブ顕微鏡の開発と応用
Project/Area Number |
07554088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70114569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 博之 (株)ニコン筑波研究所, 主任研究員
内田 達也 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30261548)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / 非線形レーザー分光分析 / 電気化学 / 表面和周波発生 / 表面第二高調波発生 |
Research Abstract |
非線形分光分析部を開発するための第一段階として,ピコ秒Nd:YAGレーザーの第二高調波(532nm,30ps)と波長可変OPG/DFGレーザーによるパルス赤外光(1〜10μm)を用いて,表面第二高調波発生法の測定系の試作を行った。前記の二つのパルスレーザーを空間的・時間的に同調し,標準試料GaAs(111)より発生する和周波を測定した。和周波は基本的には非共鳴項と振動分光に対応する共鳴項とで構成されるが,非共鳴項の強いGaAsにより測定装置の光学系の最適化を図った。赤外光の波数を掃引すると和周波の出射方向が位相整合条件に伴って変化する。それに対応して検出系の位置的制御も必要となる。これら,種々の実験要因を検討した結果,時間分解能20ピコ秒程度で動的課程の追跡を行いうることが分かった。 また,同様の非線形分光分析部として,表面第二高調波についても検討した。固-液界面で発生する第二高調波は共鳴条件で著しく増大し,第二高調波強度の基本波波長依存性が固-液界面単分子層の電子スペクトルにほぼ対応することを明らかにした。また,試料条件に依存して固-液界面に会合体が形成されていることを確認した。 走査プローブ顕微鏡部に関しては平成7年度に購入した電気化学STMシステムを用いて,安定的に原子・分子像が得られる試料系と測定条件の確定を試みた。まず、気-固界面グラファイトや金単結晶表面など構造が規定されている表面を基準として安定的像の得られる環境条件について検討した。次に,過塩素酸中のAu(111)およびAu(111)に吸着したヨウ素原子を試料とし,常に原子像を得ることが可能となった。しかしながら,有機分子像の取得は容易ではなく,電極表面における分子間の自己組織化を促進することが必要であることが判明した。
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