1995 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックコーティング材の摩耗評価技術開発に関する研究
Project/Area Number |
07555025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 博將 北海道大学, 工学部, 教授 (80001212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 猛 (株)東芝, 重電技術研究所, 主幹
小林 道明 北見工業大学, 工学部, 教授 (20105539)
藤木 裕行 北海道大学, 工学部, 助手 (80238550)
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Keywords | セラミックコーティング / 摩耗 / 剥離 / 繰返し接触 / 塑性構成式 / 有限要素法 / トライボロジー / PVD |
Research Abstract |
実際の摩耗現象においては,被接触材料に繰り返しの接触が生じることにより,摩耗粉が発生し,摩耗が進行していく,これらの現象を精密にシミュレーションするために,繰返し塑性構成式を組み込んだ有限要素法を用い,セラミックコーティング材の繰返し接触変形解析を行った.その結果,セラミックコーティング層と基材との界面において応力,ひずみの不連続が生じ,これらがコーティング層の剥離現象の原因となり,コーティング材の摩耗が進行していくと考えられる.これらの計算機シミュレーション結果の検証のため,ピン・オン・ディスクタイプの摩耗試験機により,機械構造用炭素鋼S20CにTiNにてセラミックコーティングを施した材料の摩耗試験を行った.その結果,コーティングなしの試験片と比較して,コーティング材の耐摩耗性は著しく改善され,その効果の大きさが確認された.また,その耐摩耗性が向上する寿命はコーティング層の剥離寿命により決定されることも確認され,セラミックコーティング材の耐摩耗性はコーティング層の剥離寿命を評価することに相当することがわかった.続いてこのコーティング層剥離寿命を評価すべく実験を進めたが,基材にコーティング加工を行う際の各種条件の影響により,できあがったコーティング材の特性が大きく異なり,統一された設定条件での実験・評価は行えなかった.しかし,コーティング材の耐摩耗性に対してコーティング加工条件の影響も非常に大きいことも明らかになり,総合的な耐摩耗評価にはこれらの要因も含める必要があることがわかった.さらにコーティングの加工方法によってもその特性は異なると考えられるので,これも考慮に入れる必要がある.
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