1996 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境下の流体・構造連成現象に関する超並列解析システムの開発
Project/Area Number |
07555026
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢川 元基 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 まり 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40242127)
奥田 洋司 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90224154)
吉村 忍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90201053)
大橋 弘忠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80185355)
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Keywords | 流体・構造連成 / 乱流解析 / 非線形応力解析 / 極限環境 / 超並列 / ワークステーションクラスタ / 原子力プラントシミュレータ |
Research Abstract |
(超並列アーキテクチャ設計)超並列計算機を有効に活用することを目的として、粒度が小さく演算アルゴリズムが局所化されていて各格子での演算が規則的な格子ボルツマン法を取り上げ、これを用いたボアソン方程式ソルバーを作成した。この収束状況、精度、計算速度などを調べて、同じ問題に対して従来用いられてきた反復法、直接法による計算と比較を行った。これにより格子ボルツマン法のもつ特徴を明らかにした。今後は実際に並列計算を行い、この方法が良好な並列化効率をもつことを検証していく予定である。 (並列処理による構造・流体解析)昨年度開発された領域分割法に基づく大規模3次元構造物応力解析コード、Element-by-Elementな解法に基づく大規模3次元流体解析コードの分散ネットワーク環境への適用を行った。近接設置されたパソコンクラスタおよび遠隔設置されたワークステーションクラスタを用い、それぞれのネットワーク事情に応じた解析法を検討した。また、3次元流体解析コードを改良し、構造物の熱伝導問題と統一的解析の機能を持たせた。これにより、構造領域と流体領域との間の境界条件を自動的に満足させることができるようになった。 (LESによる乱流解析)本年度は、有限要素法を用いたLESの乱流解析コードの開発に重点を置き、このコードにPVMを適用することで、並列アルゴリズムの検証を行った。また、構造との連成を考える際には、構造と流体の境界面での正確な応力評価が解析上、重要となる。流体解析での壁面応力は、通常、速度の内挿関数を用いて近似により評価する。したがって、流体から構造に与える境界条件として、従来の手法によって求めた壁面応力を用いるのは解析の精度上問題と思われる。そこで、離散化された運動量を保存するような壁面応力の評価手法を開発し、チャネル乱流に適用し、手法の検証を行った。
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[Publications] R.Shioya,G.Yagawa: "Large Scale Analysis with Domain Decomposition Method" Proc.Japan NCTAM. 45. 57-58 (1996)
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[Publications] Y.Aoyama,G.Yagawa: "A Parallel FE System for Structural Vibration Analysis on a Workstation Network" Proc.Japan NCTAM. 45. 59-60 (1996)
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[Publications] Y.Nakabayashi,H.Okuda,G.Yagawa: "Data Parallel Finite Element Method Adaptable to Computer's Environment" Proc.Conf.Computational Eng.and Science. 1-1. 63-66 (1996)
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[Publications] H.Okuda,T.Yashiki,G.Yagawa: "Three-Dimensional Finite Element Adaptive Analysis of Incompressible Flow Based on Control of Node Density Distribution and a Posteriori Error Estimation" Advances in Eng.Software. (発表予定).
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[Publications] M.Oshima,T.Kobayashi,N.Taniguchi,M.Tsubokura: "Developing of Filtering Operation for Dynamic SGS Model Using Finite Element Method" Proc.2nd ERCOFTAC Workshop on Direct and Large Simulation. (1996)
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[Publications] 松田、小林、谷口、大島、田坂: "PVMを用いたトルクコンバータ内翼列の乱流解析" 生産研究. 48-2. 77-79 (1996)