1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 隆一 京都大学, 工学研究科, 教授 (50025946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 直哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (70243053)
北村 隆行 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20169882)
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Keywords | 複合材料 / マイクロクラッキング / 界面破壊 / 確率モデル / シミュレーション |
Research Abstract |
複合材料の破壊は,空間および時間の両者に関して離散的に生じるマイクロクラッキング現象により特徴づけられる.したがって,複合材料の強度は,この特有な破壊形態を考慮し,従来のモノリシックな材料に対して用いられてきた方法とは異なるより適切な方法で評価される必要がある.そこで本研究では,計2年の研究期間において,複合材料の強度試験ならびに材料中で生じる破壊現象の詳細観察を行うとともに,その結果に基づいてマイクロクラッキングを適切にモデル化し,最終的には新材料の開発にもつながる数値実験法を確立することを目指している.研究初年度である本年度には,長炭素繊維強化樹脂基複合材料(CFRP)を用いて引張試験を行い,材料表面に発生するマイクロクラッキングの顕微鏡観察,特にマイクロクラッキングの巨視的な発生位置(試験片のどの個所に発生するのか)および微視的な発生位置(繊維と母材の界面であるのか,あるいは母材中であるのか),マイクロクラッキングの発生個数,多数のマイクロクラッキングが複合材料全体の破壊にどのように寄与するか等に着目し,得られた結果について検討した.また,これと平行して複合材料中に生じる微視的応力に関して数値解析を実施し,複合材料を巨視的に見た場合の応力と実際に繊維や母材中に生じている微視的応力の関係について考察した.なお,マイクロクラッキングのモデル化および数値シミュレーションについては,得られた試験結果に基づいて現在進行中であり,次年度に報告する予定である.
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[Publications] 北村隆行: "原子シミュレーションによる材料強度評価" 第39回日本学術会議材料研究連合講演会前刷集. 45-48 (1995)
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[Publications] 多田直哉: "内部微小き裂型破壊のモデリングと破壊進行のビジュアル化" 日本機械学会講演論文集. 95-1. 268-269 (1995)
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[Publications] 大谷隆一: "一方向炭素繊維強化AS4/PEEK積層板の高温疲労層間はく離き裂伝ぱに対する繊維架橋によるクラックシールディング効果" 材料. 44. 762-768 (1995)