第一原理計算を基礎とする原子間ポテンシャル評価システムと理論データベースの構築

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07555031
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 北川 浩 大阪大学, 工学部, 教授 (30029095)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 尾方 成信 大阪大学, 工学部, 助手 (20273584) ; 中谷 彰宏 大阪大学, 工学部, 助教授 (50252606)
• Keywords: 第一原理分子動力学法 / 原子間ポテンシャル / 擬ポテンシャル / ソフトポテンシャル / ウルトラソフトポテンシャル / 埋め込み原子法 / 修正埋め込み源法 / 平均媒質理論

Research Abstract

(1)原子間ポテンシャルを評価するための第一原理分子動力学解析プログラムを開発進め、つぎの成果を得た。
・平面波の数を減少させることができるTroullier-Martinsによって提案されたソフトな擬ポテンシャル(TM型)を作成するプログラムを開発し、HからRnまでの元素についてTM型擬ポテンシャルのデータベースを作成した。
・Vanderbiltにより提案されているウルトラソフトな擬ポテンシャルを作成するプログラムを開発し、HからRnまでの元素についてデータベースを作成した。この擬ポテンシャルは、TM型でも平面波が多くなる元素について効果が大きい。
・TM型擬ポテンシャルをKleinman-Bylanderの分離型で表現し、原子に働く力、原子系の応力およびエネルギーの計算速度を向上させる共に、必要なメモリ容量を減少させた。
・収束計算に、Car-Parronello法、Teterの共役勾配法、Bylanderの共役勾配法、Kresseの残差最小化法のいずれでも選択できるようにした。
・AlN-Al界面構造、吸着強度の評価を行い、妥当な結果を得た。
(2)Baskesが提案する修正埋め込み原子法(MEAN)によるポテンシャルデータベースの精度評価を第一原理計算に基づいて進めると共に、44種の元素のパラメータに対して、多元素が存在する原子系について分子動力学計算が実行できるプログラムを開発した。
(3)平均媒質理論(EMT)の有効性を第一原理計算に基づいて行うと共に、Al粒界の構造、粒界エネルギー、粒界拡散や強度評価を行った。
(4)EAM,MEAM、EMTのいずれのポテンシャルでも分子動力学法解析が実行できるプログラムの開発を行った。

Research Products

• [Publications] 北川浩,中谷彰宏,尾方成信,斉藤賢一,前川幸弘: "Al粒界近傍のストレスマイグレーションの分子動力学解析" 日本機械学会論文集 A編. 62・595. 853-858 (1996)
• [Publications] 北川浩,中谷彰宏,尾方成信,斉藤賢一,前川幸弘: "Al粒界近傍の原子拡散特性(有効媒質理論に基づく分子動力学解析)" 日本機械学会論文集 A編. 62・602. 2358-2363 (1996)
• [Publications] S.Ogata and H.Kitagawa: "Density Functional Calculation of Effect of Silicon Impuraty to Aluminum Σ=5 Talt and Twist Grain Boundary" Trans.Mat.Res.Soc.Japan. 29. 823-826 (1996)
• [Publications] 尾方成信,北川浩: "第一原理分子動力学法による窒化アルミ/アルミニウム界面の特性評価" 日本金属学会誌. 60-11. 1079-1083 (1996)
• [Publications] S.Ogata,H.Kitagawa,Y.Maegawa and K.Saitoh: "Ab-initio analysis of aluminum Sigma=5 grain boundary-Fundamental Structure and effects of silicon impurity" Computational Materials Science,.
• [Publications] 7. 271 (1997)