1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555035
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture & Technology |
Principal Investigator |
西脇 信彦 東京農工大学, 工学部, 教授 (90016626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 貞成 東京農工大学, 工学部, 教授 (10013715)
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Keywords | 超音波加振 / 射出成形 / 金型 / 結晶化度 |
Research Abstract |
本年度は,射出成形中に金型を超音波加振して,プラスチック射出成形品の品質改善を目的とした方法を確立するために,以下のような研究を行った.1.実際の金型に超音波加振用の圧電素子を複数個組み込んだときは振動の節が生じ,その節の部分で加振が不十分となることがある.そこで,複数の振動視を取り付けるときにそれぞれの振動の位相をずらして成形中の樹脂を均一に加振するようにしたときの効果について調べる.2.超音波加振による金型への転写性について検討する.3.樹脂の分子構造の違いによる,超音波加振の影響について検討する.以上のような研究を行った結果,以下の事柄が明らかとなった.1.二つの圧電素子を移動側金型と固定側金型にそれぞれ取り付けて,これらが対向するように取り付けられた場合に,同位相で加振したときと逆位相で加振したときについてその影響を調べた.その結果,加振方法による影響は少ないことが明らかとなった.また,振動視を対向させずにずらして加振した場合についても同様の結果であった.2.90度の曲がり部における充填状況や結晶化度について調べた結果,加振すると結晶化度が均一化する事が分かった.この結果より,固化時の収縮量が均一となりそりや捻れなどが起こり難くなると思われる.3.高密度ポリエチレンのように単純な分子構造を持つ樹脂では加振の影響が大きく現れるが,ナイロン,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレート,等のように複雑な分子構造を持つ樹脂に対しては,超音波加振の影響が洗われにくいことが明らかとなった.
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