1995 Fiscal Year Annual Research Report
音響の周波数を利用して薄膜の厚さを測定する新しい方法の開発
Project/Area Number |
07555039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
一宮 亮一 新潟大学, 工学部, 教授 (10035595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 秀一 新潟大学, 工学部, 助手 (40211932)
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Keywords | 共鳴音 / 周波数 / 測定 / 厚さ / 薄膜 / 非接触 |
Research Abstract |
電子や医用分野をはじめとする多くの分野において薄膜の使用が増えている。従来の膜の厚さ測定には接触式が用いられており、精度、膜面の損傷等の欠点があった。そこで音響の周波数を利用して非接触で薄膜の厚さを測定する全く新しい方法を考案した。 まず、実験装置を用いて実験した。実験装置は5面が剛壁からなる直方体状の装置を作り、その上面(他の一面)に測定する薄膜を一定の張力の状態で置く。膜の上方に音源となるスピーカを設置し、平面波の音波を膜面に垂直に放射する。剛壁で囲まれた装置の内部に小さいマイクロホンを置き、マイクロホンに入る音波を精密騒音計を通してFFTアナライザへ導き周波数解析した。スピーカは信号発生器に結ばれ種々の音波が出せるようになっている。膜の厚さを測定する実験に先立ち、まずマイクロホンの位置を種々変化させて実験した結果、装置内底面の中央に設置することが適当であることが明らかとなった。さらにスピーカと膜面との距離が共鳴周波数に及ぼす影響を明らかにするため、スピーカと膜面の距離を種々変化させて周波数分析を行った。今年度の実験では、種々の面密度0.0014〜0.0217g/cm^2の範囲のポリエチレン薄膜を使用し、一定の応力の引張り力を加えて保持し、スピーカから音波を出し、マイクロホンで音波を受け共鳴周波数を測定した。その結果、膜の厚さが増大するにつれて共鳴周波数は減少し、共鳴周波数の変化から膜の厚さが測定できることが明らかとなった。この音響の周波数を用いて厚さを測定する方法は、全く新しい方法であり、非接触で測定できるため膜面を傷つけることもなく、装置は簡単で安価な測定方法であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 坂本秀一・一宮亮一 等: "音響を利用したシートの枚数検出法(第3報、伝達関数の位相による紙および布の検出)" 日本機械学会論文集(C編). 61巻584号. 1516-1521 (1995)
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[Publications] 一宮亮一・坂本秀一 等: "New Method of Measuring Film Thickness by means of Sound Signal" Proc.of Int.Sympo.Industrial Robots.26. 545-549 (1995)
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[Publications] 一宮亮一・坂本秀一 等: "音響を利用した液面レベルと傾斜角度の測定" 日本機械学会論文集(C編). 62巻595号(掲載決定). 949-955 (1996)