1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 裕 大阪大学, 工学部, 教授 (50029005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 貴士 大阪大学, 工学部, 助手 (10273583)
辻本 公一 大阪大学, 工学部, 助手 (10243180)
梶島 岳夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (30185772)
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Keywords | ACTIVE CONTROL / CHANNEL FLOW / TURBULENT SHEAR FLOWS / DNS / QUASI-STREAMWISE VORTEX |
Research Abstract |
平行平板間乱流のデータベースを用いて壁近傍乱流の組織構造である縦渦の再生機構について縦渦のダイスミクスに関する可視化情報を基に検討を行った.その結果,縦渦の維持・発達時には渦糸の引き伸ばしが重要な働きを示すが,これは縦渦自身がスパン方向の強い渦糸を巻き込むと同時に主流方向に渦糸を引き伸ばすことで行われていることを確認した。また,上流側への渦の再生はその駆動力となる親渦が下流側に発達する際の循環量の増大に伴い,発生する壁法線方向の過渡成分が親渦自身の回転による親渦上部に発生する高せん断層により倒されることで行われることを明らかにした。また,乱流の平均速度分布を持つ層流場に単独の縦渦を配置した準3次元シミュレーションを行い,前述の機構が普遍的であること,渦自身により自励的に起こることが明らかにした。 乱流制御される場の機構を調べるために,平行平板間乱流に,1)高分子剤を添加した時に生じるトムズ効果に対し高分子特性を模擬した球-バネモデルを混流したもの,また,2)壁面に植毛した場合の壁面摩擦低減のメカニズムに対し壁面に球+バネを固定した数値シミュレーションを行った。その結果,それぞれにおいて実験事実と符合する定性的な特性が再現できた。これらのモデルは個々の縦渦の中心部分に取り込まれることで縦渦と干渉し,縦渦周囲と中心部の間のせん断力を緩和し,結果的に縦渦自身の回転力を低下させる。この一連の作用が乱れの低減の基本的なメカニズムであることを確認した。 制御デバイスの開発を考えた時,比較的大きなスケールの構造を対象とすることが好ましい.そこで流れ方向に長大な平行平板間乱流のDNSを行い,通常のDNSでは捉えられない縦渦群の可視化に成功した。これら縦渦群は壁面上の高せん断域の分布と極めてよく一致することから乱流制御情報に関し新たな視点を提供するものである。
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[Publications] Y.Miyake,K.Tsujimoto: "Regeneration and Self-Sustance of Quasi-Streamwise Vortices." Proc.Int.Symp.Math.Modelling of Turb,Flows,Univ.of Tokyo. 71-78 (1995)
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[Publications] 高橋仁之,三宅裕,辻本公一: "スパン方向に壁面を振動させた溝乱流の直接シミュレーション" 第9回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 181-182 (1995)
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[Publications] Kajishima,T.,Miyake,Y.,Ohta: "Direct Numerical Simulation of Turbulent Flow in a Wavy Channel" Proc.Int.Symp.Math.Modelling of Turb.Flows,Univ.of Tokyo. 176-180 (1995)
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[Publications] 太田貴士,梶島岳夫,三宅裕: "波状流路内乱流の数値シミュレーション" 第9回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 175-176 (1995)
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[Publications] 三宅裕: "(解説)乱流の制御" 生産と技術. 47-4. 42-45 (1995)
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[Publications] 三宅裕: "(解説)壁近傍の縦渦の数値シミュレーション" ながれ. 14. 418-426 (1995)