1996 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス磁気繊毛と異方性薄膜磁石を組み合わせた高トルクマイクロモータの開発
Project/Area Number |
07555103
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 二郎 九州工業大学, 工学部, 教授 (40108668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 慎次 安川電機製作所, 研究所, 研究員
太屋岡 篤憲 北九州工業高等専門学校, 助手 (60236768)
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Keywords | マイクロアクチュエータ / 薄膜磁石 / 磁気繊毛 / 陽極酸化法 |
Research Abstract |
電磁型モータの出力は磁性体の体積に比例する。従来のモータを薄膜化技術により数mmにマイクロ化した場合のトルクは10mN-m程度であり、マイクロモタ-の出力の向上を図るためには新規な駆動方式の採用がが必要である。本研究では低速で高出力のアクチュエータの開発を意図して、ナノサイズの磁気繊毛を開発し、薄膜磁石と組み合わせて繊毛運動による接触駆動型のモータの開発を試みた。 (1)高アスペクト比磁気繊毛の開発:磁気繊毛は従来交流電着法により作製されており、アスペクト比が30以下に制限されていた.我々はバリア層と呼ばれているアルミナ中に微細孔を貫通させることにより、直流電析法の適用を可能にした.この事により、直径0.1μmアスペクト比2000の磁気繊毛が作成可能となった.磁気繊毛の反磁界係数はアスペクト比が20を越えると0.1程度に収束するが、繊毛間のスペースを広げることで数1000eの印加磁界で飽和する磁気繊毛を開発した。(2)高エネルギー積Nd-Fe-B異方性薄膜磁石の開発:高エネルギー積異方性薄膜磁石に関しては、厚膜化に伴う結晶粒の粗大化を抑制する方法の問題が残された.これに対する対策として、数ミクロンの薄膜磁石を軟質磁性膜できった形の積層膜にして両者を交換結合させ、スプリングマグネットとすることで高エネルギ厚膜磁石の実現が可能であると考えられる。(3)高出力アクチュエータ:高アスペクト比のアモルファス磁気繊毛は十分にフレキシブルであるので、接触型のアクチュエータへの展開が可能である.高アスペクト比のソフトな磁気繊毛の繊毛運動による接触型のアクチュエータへの応用を試みた。直径0.1μm長さ200μmの磁気繊毛が0.3μmの間隔でX-Yの2次元に配列した平板に薄膜磁石によりX方向にバイアス磁界を印加し、Z方向に交流磁界を重畳することで制御可能なX方向の振動運動が確認された。Y方向の磁界印加で先端に楕円運動を付加することが可能である。試作機を作製するまでには至らなかったが、細径パイプ中に磁気繊毛を設けて高出力マイクロモータへの展開が期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Tayaoka,E.Tayaoka,and J.Yamasaki: "Preparation of Co-Fe-P amorphous fine needles with anodization technique and measurement demagnetizing factor" Journal of Applied Physics. 79・8. 6016-6018 (1996)