1995 Fiscal Year Annual Research Report
鋼線を新素材で被覆したハイブリッド・ケーブル素線、およびケーブルの開発
Project/Area Number |
07555149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中井 博 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00047052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克弘 日本電子計算(株), 技術営業部, 技師
江藤 徹郎 三井造船(株), 鉄構建設事業部, 課長
小林 剛 神鋼鋼線工業(株), PC事業部・PC技術部, 部長
三田村 武 (株)神戸製鋼所, 都市環境本部, 技師長
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30029334)
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Keywords | 新素材 / ケーブル / 炭素繊維 / 鋼橋 / アラミド / 斜張橋 / ニールセン・ロ-ゼ橋 / 吊橋 |
Research Abstract |
(1)ハイブリッド・ケーブル素線の応力-ひずみ関係を、明らかにした。その結果に基づいて、ハイブリッド・ケーブルの3つの限界状態、すなわち鋼線の降伏による使用限界状態、炭素繊維の破断による終局限界状態、および事故などにより炭素繊維が破断するハザッド状態を設けて、それぞれに対して、安全率1.7、3.0、および1.1を設定した。 (2)炭素繊維を用いるハイブリッド・ケーブル素線では、鋼線の腐食防止対策が必要である。 (3)高強度・高剛性という新素材の優れた機能を十分有効に利用するためには、鋼線のまわりに新素材を綾紐のように撚る現在の製作法でなく、新素材を平行に束ねた状態で使用できる製作法を開発する必要があることがわかった。そこで、平成7年度の研究では、その製作法として、具体的にPultrusion法でハイブリッド・ケーブル素線を製作する方法を、検討した。 (4)その結果、ハイブリッド・ケーブル素線に関しては、ほぼ期待するものが製作できることがわかった。 (5)しかし、ハイブリッド・ケーブル素線の引張試験の結果、ケーブルの定着部の構造がハイブリッド・ケーブルの強度を支配してしまう可能性が大きいことが明きらかとなった。この点については、今後、十分に検討することが最も重要な課題となった。 (6)炭素繊維と鋼線からなるハイブリッド素線を束ねるケーブルではなく、炭素繊維のみからなるケーブル素線と鋼線とを束ねるハイブリッド・ケーブルについても研究する必要がある。 (7)3段ケーブルの斜張橋を対象とした試設計、および、それらの耐荷力解析の結果、長大橋になれば、ハイブリッド・ケーブルを用いる効果が十分に期待できる。しかし、ハイブリッド・ケーブルを用いる斜張橋では、高ケーブルを用いる斜張橋に比較して、主桁のたわみが大きくなることがわかった。 (8)また、ケーブル素線の炭素繊維と鋼線との断面積は、それぞれの材料の強度と剛性のみならず、斜張橋とした場合のケーブルの荷重分担率をも考慮して決める必要があることも、上記の解析によって明らかになった。 (9)ハイブリッド・ケーブルを用いる鋼橋では、上記(1)の3つの限界状態の照査が必要となる。しかも、それらを照査するための構造系は、全て異なるため、設計が煩雑になる。そこで、何らかの近似解法を開発する必要がある。 (10)炭素繊維は曲げ強度が低いので、ハイブリッド・ケーブルを輪にして輸送する場合の可能性とケーブルの断面寸法との関係についても、検討する必要がある。
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