1995 Fiscal Year Annual Research Report
多層帯水層地盤における地下水保全のための浸透特性の調査手法の開発
Project/Area Number |
07555156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河野 伊一郎 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00025941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 祐二 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (90188178)
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Keywords | 多層帯水層 / 浸透特性 / ニューラルネットワーク / 地下水 |
Research Abstract |
地下水問題を解決するためには、対象とする地下水の挙動を的確に把握しておかなければならない。そのためには地盤の帯水層構成や各層での浸透特性等の測定が必要となる。本研究では、多層帯水層における地下水流動および水圧伝播特性の把握、ならびに複数の帯水層および介在粘土層の浸透特性の算定を行うために、最適な原位置透水試験の実施法ならび数値解析法による試験結果の解析手法の開発を行い、多層帯水層地盤における地下水保全のための浸透特性の調査・評価システムの確立を目的とする。 本年度は、原位置透水試験データの新しい工学的な解析手法として、階層型ニューラルネットワークは用いた浸透特性値の評価システムの開発を行った。ニューラルネットワークを人間の脳の思考パターンを手本にした、学習・推論機能を有する情報処理システムであり、非線形問題の解析アルゴリズムとして極めて有効であると期待される。本方法を用いることにより、原位置透水試験データを現場にて迅速に解析し、従来、解析の困難であった複雑な帯水層条件下においても浸透特性を評価することが可能となる。したがって、複数の異なるインパクトを順次帯水層に与えて、その反応を現場にて総合的に処理し、多層帯水層の浸透特性の工学的な評価を行う原位置透水試験方法の指針が確立される。 原位置透水試験による水位計測データのパターンと帯水層条件や水理境界条件の関係を説明する階層型ニューラルネットワークを構築する。階層型ニューラルネットワークの学習アルゴリズムとしては、誤差逆伝播学習則を用い、評価すべき浸透特性パラメータ種々変化させながら数値解析による浸透流解析を多数回行い、評価パラメータに対する学習データ(水位低下曲線)を作成を行った。
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