1996 Fiscal Year Annual Research Report
河口デルタの縮小に対する海岸浸食制御法とその適用に関する研究
Project/Area Number |
07555164
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Section | 試験 |
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
土屋 義人 名城大学, 都市情報学部, 教授 (90025883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 隆男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (30111983)
伊藤 政博 名城大学, 理工学部, 教授 (90076638)
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Keywords | 海岸浸食 / 海岸浸食制御法 / 河口デルタの縮小 / 汀線変化予測モデル / 海岸浸食の波動性 / 標砂源管理 / 安定海浜工法 |
Research Abstract |
1)河口デルタの縮小過程とその長期予測法に関しては,竜洋海岸および下新川海岸における汀線変化の実態を調べた結果,いずれの場合も拡散現象としての汀線変化に波動現象としての変動が重なって正または負の浸食波が伝播することが確認された。河口デルタの縮小過程における汀線変化の拡散・波動現象としての汀線変化の理論を展開したが,適用に当たっては現実における初期・境界条件の解明が必須であることがわかった。 2)河口デルタの縮小に対する海岸浸食制御法に関しては,わが国の砂浜海岸の形成過程について考察した後,静岡海岸における海岸浸食の実態を汀線変化とその変動として調べ,安部川からの漂砂源の変化との関係から海岸浸食に伴う海岸地形変化を解明し,河口デルタ海岸の保全とその漂砂源管理の基本を示した。 3)上越・大潟海岸および新潟西海岸への適用に関しては,後者について河口デルタ海岸を安定化させるための方法論として,各種の構造物を設置した代わりに養浜した場合の汀線変化を追算した結果,多少とも砂浜が残存することが示させ,さらに大規模な養浜による場合比べて,大規模海浜過程における長期の汀線変化に対して,最小限の境界条件を設置して養浜する方が海浜の安定化には有効であることがわかった。
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[Publications] 土屋義人: "海岸浸食の波動性について(2)-下新川海岸の場合-" 土木学会海岸工学論文集. 43. 586-590 (1996)
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[Publications] 土屋義人・山下隆男・泉達尚: "海岸浸食と海浜の安定化:構造物か,養浜か?" 土木学会海岸工学論文集. 43. 641-645 (1996)
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[Publications] 土屋義人・伊藤政博・石田一弥: "河口デルタ海岸の保全と漂砂源管理について-臨海都市の海岸保全-" 都市情報学研究,名城大学都市情報学部. 2(印刷中). (1997)
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[Publications] Yoshito Tsuchiya: "Erosive waves in shoreline change due to the reduction of a river delta" Proc.25th ICCE,ASCE. 3(印刷中). (1996)