1997 Fiscal Year Annual Research Report
リチウム二次電池電極材合成のためのソフトプロセス開発
Project/Area Number |
07555190
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 道夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20023054)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 俊一 大阪工業技術研究所, (研究職)研究室長
清水 晃 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90002013)
金野 英隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50002316)
|
Keywords | リチウム二次電池 / 正極材 / 酸化物 / 負極材 / 炭素材料 / 電池容量 / 結晶性 |
Research Abstract |
1)正極材の合成と電池性能に対する結晶性の影響:LiMn_2O_4微粒子をそれぞれの金属陽イオン酒石酸塩を用いて低温で合成したのち,高温でのアニーリングによって広い範囲の結晶性を持つ微粉末を調整した.リチウム含有遷移金属酸化物を,酒石酸塩を経由することによって比較的低温で合成することが可能であること,そしてそれらの酸化物が低結晶性であり高温でのアニーリングによって広範囲の結晶性が得られることが明らかとなった.これらの微粉末を正極として,リチウムイオン二次電池を組み,電池容量を決定した.その結果,これら酸化物正極材料の結晶性は電池容量に強い影響を持ち,結晶性が高いほど容量が大きいことが明らかとなった.これに対して,MoO_3,アナターゼ型TiO_2およびV_2O_5ブロンズの結晶性の評価と電池性能との対応関係を検討した.その結果,これら酸化物正極材の場合は,その結晶性は電池容量に大きな影響を及ぼさないことが明らかとなった. 2)炭素材料の負極材としての挙動:負極材として,ボロンをドープした炭素材料を調製し,その電池性能を評価した.特に,炭素材料中にドープされたボロンの化学結合状態に注目してXPS分析,EPMA分析を行うとともに,負極材としての電極性能(充・放電挙動およびその容量,クーロン効率,など)との関係を検討した.その結果,ボロンのド-ピングはホスト炭素材料の結晶性を上げ,その結果として,電池容量の向上が確認された.
|
-
[Publications] M.Inagaki: "Nitrogen incorporation into boron-doped graphite" Carbon. 35. 1194-1195 (1997)
-
[Publications] M.Inagaki: "Structural change between NH_4VO_3 and V_2O_5 studied by using single crystals" Solid State Ionics. 101-103. 1351-1356 (1997)
-
[Publications] T.Tsumura: "Preparation of LiMn_2O_4 via dicarboxylates and their lithium extraction/insertion behavior" Solid State Ionics. 104. 35-43 (1997)
-
[Publications] T.Tsumura: "Lithium insertion/extraction reaction on crystalline MoO_3" Solid State Ionics. 104. 183-189 (1997)
-
[Publications] M.Inagaki: "Boronated graphite-Chemical state of boron and electrochemical intercalation of lithium" Trans.MRS-J. (印刷中).