1995 Fiscal Year Annual Research Report
放射光を利用した微小結晶回折法のセラミックス粉体研究への応用
Project/Area Number |
07555191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石澤 伸夫 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (90151365)
|
Keywords | セラミックス / チタン酸バリウム / 放射光 / 微小結晶 / 構造解析 |
Research Abstract |
1.フラックス法により、代表的な誘電体セラミックスであるチタン酸バリウム(BaTiO_3)等の微小結晶の育成を試みた。また、チョクラルスキー法によって多重記録材料として有望なCaYA1O_4の育成を試みた。 2.蛍光X線分析法によってCaYA1O_4の化学組成を決定した。育成時の還元的雰囲気が結晶中の酸素欠損を引き起こしたことを確かめた。高エネルギー物理学研究所放射光実験施設での本格的な回折実験に先だって、育成結晶を評価するため、本申請の設備備品費で購入したPW1729SS微小結晶回折装置を使用して、育成結晶の自形の解析、双晶の存在やその形態の解析等をおこなった。 3.文部省高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のビームライン4Bに設置された微小結晶回折装置を用いて、育成したチタン酸バリウム(BaTiO_3)結晶の対称性と構造を調べた。試料の大きさは換算直径で10μmから0.05μmの間のもので、サブミクロンオーダーのものを特に重点的に解析した。実験方法としては主として白色ラウエ法を用いた。 4.文部省高エネルギー物理学研究所放射光実験施設のビームライン14Aに設置された水平型高速四軸回折計を用いてLaNb_3O_9、LaTa_3O_9、およびCaYA1O_4微小結晶の回折強度データを測定し、その電子密度分布を解析した。 5.チタン酸バリウム微小結晶に関しては、得られた成果の一部を平成7年12月に横浜で開催された国際酸化物エレクトロニクスシンポジウムで発表した。シンポジウムのプロシ-ディング原稿を現在準備中である。また、LaNb_3O_9、CaYA1O_4の構造については平成8年8月に米国で開催される国際結晶学連合会議に論文発表を行なう。
|